「3つ目のねがいごと」
投稿者:黒いうさぎ (4)
「ねがいごとが叶う紙」のことなんてすっかり忘れた数週間後。親戚の家の用事から帰ってきたママが私に、突然色えんぴつをくれた。
平たい缶に入った32色の色えんぴつ。親戚のみーちゃんのだったけどもういらないから、ともらってきてくれたらしい。
中を開けるとほとんどの色が使われてないまま、すらっと長い綺麗な色えんぴつが並んでいた。
ねがいごとが、叶った!
私はハッと「ねがいごとが叶う紙」のことを思い出して、すごく興奮した。サキちゃんやマリコちゃんに早く伝えたくて、その日はドキドキして眠れなかったのを覚えている。
学校で2人に色えんぴつのことを伝えると、最初は疑っていたサキちゃんだったが、私が持っていた平たい缶を開いて見せたら目を輝かせて喜んだ。
「ねがいごとが叶う紙」はほんものだ!
3人でキャッキャ言いながらはしゃいだ。その日は1学期の終わりの終業式。はやめの学校が終わると急いでサキちゃんの家に集まった。もちろん2枚目の紙に願い事を書くために。
最初の願いよりも私たちは悩みに悩んだ。なんせ現に願いが叶ったのだから。
ああでもない、こうでもない、と相談する内に気付いたら日は暮れ、いつのまにか話は脱線。いつものクラスの誰かの悪口大会に発展していた。
サキちゃんが何気なく言った。
「タカナシユウヤ、あいつキタナイよね」
それは私たちももちろん知ってるクラスメイトの1人の名前だった。
タカナシくんはクラスでも悪い意味で目立つ子だった。身体がすごく大きくて乱暴で、いつもボロボロの服を着てイヤなにおいがした。
その時私は彼と同じ「班」だった。ちびで気の弱い私は時たま彼に小突かれたり、虫を押し付けられて泣いたりしていた。正直、私も彼をひどく嫌いで、夏休みの間彼に会わなくて済むことにすごくホッとしていたくらいだった。
彼の悪口を一通り言いあった私たちはふざけながら意地悪くケラケラ笑い、2枚目の紙に同じ願いごとを書いた。
「タカナシユウヤが、しにますように」
すごくいいですかなりゾクっとしました!
子供の幼少期の残酷性を上手く取り込んでますネ。
细思恐极
もしその願いが叶ったら…赤ちゃん……
上手い
子供って結構口で死ねとかいうけど願いが叶うとわかってから死を願うって…怖い
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
すげぇ……よくそういうところ気付けるなぁ
口は災いの元ってか(口じゃないけど)
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
この一言が一番怖いんですけど 汗
すごい!新しいの楽しみにしときます!
紙は水に溶けても、心のしこりは一生溶けずに残り続ける、と
話の中に皮肉とちょっとした伏線も張ってあってよく出来てるなぁと感嘆しました。
お見事です!
出来すぎた話だけど、リアリティがあって秀作。分かってない人も居そうだから一応解説入れとこうかな。
サキちゃんは「美人」
マリコちゃんは「独り部屋」
それぞれ大人になってから叶った。
私ちゃんは「赤ちゃんが死」
妹は大学生になった=願いが叶ってない
最近子供が出来た
もう、分かるよね?
誰のあかちゃんがって指定されてないから呪いが返ってくるんだろな