金縛りの先に
投稿者:エノエノ (8)
短編
2024/04/12
10:03
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もう一つは瞼が開かない。
今までの金縛りでは瞼はぱっちりと開いて周囲を確認する事が出来ましたが、今回は全く開きません。
もちろん声も出せないので、私はうずくまった状態でただ動けずにいました。
意識ははっきりとしていて、こんなパターンもあるのか~と思っていた矢先。
視界に違和感を覚えました。もちろん瞼は閉じたままなので真っ暗なのですが、その奥から更に黒い闇が見え徐々に吸い込まれていく感覚。
同時に手と足の指先がしびれ始めます。
どんどん奥に進むにつれ、暗闇は大きくなり指先のしびれがだんだんと腕や足にまで上ってきました。
(これはヤバい!)直感で感じた私は無理矢理身体を動かそうとしてみたり、大声を出そうとしてみたりしましたが何もできず。
ただひたすらに飲み込まれていく恐怖に抗おうと無我夢中に暴れようとします。
すると微かに声が出せるようになってきました。私はとにかくそれにすがる思いで力の限り叫ぼうとしました。
『・・ぅぅうう・・・ぅううう・・・ぅうううう!ぅうわぁーーー!!!』
『どうしたの!!!』
母が部屋へ入ってきました。ちょうど起きる時間だったようで、部屋の前を通ろうとしたら
おかしな声が聞こえて入って来てくれたそうです。
その瞬間に私の身体も自由になり目も開けられるし、普通に声もだせる様になりました。
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