本に込められた想い
投稿者:エノエノ (8)
私が小学生の頃、本を読むことにハマっていた時期がありました。
特にSFやファンタジー系が好きで、学校の図書館にある物は手当たり次第に読み漁っていました。
次第に学校の本だと物足りなくなり、市の図書館へ行くようになります。
週に1度2~3冊ほど借りて、帰り道の児童館で少し読んでから帰宅といったルーティーンを半年程続けていました。
その日も借りた本を少し見てみようとページをめくります。
数ページ読み進めたところで本に違和感を覚えました。
本の所々に黒いシミみたいなのがあったのですが、めくるたびに同じ位置にあるシミが大きくなっていきます。
気になって字を読まずに1ページずつめくっていったのですが、やはり大きくなっていき文字も読めなくなっていきました。
何だこれ?と思いつつどんどんめくっていきます。
途中で気付いたのですが、そのシミは墨汁を使っているようで何か書いた物が浸透してきている感じでした。
徐々に何が書いてあるのか見えてきたのですが、私は途中でページを開くのを辞めました。
ちゃんと確認したわけではないのですが、多分【呪】や【怨】みたいな形が見えてきたからです。
私は怖くなってすぐに図書館へ戻り、受付の人に『落書きされてます』と言って返却しました。
その方はその場で確認してくださったのですが、明らかに顔が青ざめて焦っている様子。
多分その方は小学生の私がそんないたずらするとは思わなかったのでしょう。
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