ワームダイエット
投稿者:ねこじろう (149)
「きょうせい?」
「そうです。『共生』です。
皆さんはかつて大ヒットした映画『ファインディング ニモ』を覚えておられますか?」
「知ってます知ってます。カクレクマノミのニモの話でしょう」
女子高生が嬉しそうに答える。
「その通り!あの映画の主人公であるニモこそまさに『共生』の見本なのです。
ニモはイソギンチャクの毒のある触手にかくれて敵から身をまもることができ、イソギンチャクはニモの食べこぼしの餌などを頂戴しお互いに得をするような関係これこそがwin win 『共生』の典型なのです。
あと草食動物と腸内細菌の関係なども同じような関係と言われています。
学者によってはこの地球上の全ての生態系は『共生』で成り立っているという極論を唱える者もいます」
「『共生』の話は分かったから、早くおたくの『ワームダイエット』とやらの説明をしてくれよ!」
ボサボサ頭の男がイラつきながら言う。
すると男性は笑顔のまま隣に立つ女性を見ると「ではお願いします」と言った。
女性は静かに微笑みながら水槽の隣に置かれたクーラーボックスから一枚の牛肉の赤身を取り出すと、取り囲む10名にそれを掲げる。
かなり大きいサイズのようだ。
そして彼女はそれを水槽の中に落とした。
すると先ほどまであちこち気ままに泳いでいた小さな生き物たちは素早く一気に群がり、それを突っつきだす。
そして僅か5分ほどでそれは跡形もなく消え失せた。
─おお!
怖いより、何か悲しい
コメントありがとうございます
─ねこじろう