ワームダイエット
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/04/10
14:23
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「いや、やっぱムリだわ」
外資系医療総合商社グッドライフ。
午後八時。
本社ビル五階の渡り廊下隅に二人の男女が向かい合い立っている。
営業課のエース岡田慎吾33歳は長身で細身の体躯を居心地悪そうにしながら、天井の辺りを見上げていた。
正面に立つ頭一つ小さなルミは大きな目をギョロギョロさせながら、あんパンのように真ん丸の顔をピンク色に上気させて俯いたままつぶやく。
「あ……の……最後に一つ聞いていいですか?」
茶髪のサラサラ髪を細くしなやかな指でかきあげながら慎吾は軽くうなずく。
「私のどんなところがダメなんでしょうか?」
慎吾は困ったように頭を掻きながら言った。
「ルミのその性格、俺好きだよ。
それなりに気配りできるし適度に思いやりもあるし、、、
ただはっきり言うとオレ、、その、、ポッチャリは苦手なんだわ。
ごめん生理的にムリ、、まじ勘弁。」
ルミの人生初の告白は失敗に終わった。
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医療総合商社 グッドライフ
総務課 白鳥ルミ
三十五歳 独身
おにぎりのような輪郭の顔は赤ら顔で顎と首の境界は明確ではない。
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怖いより、何か悲しい
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─ねこじろう