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呪い・祟り

太山みせるさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

いちにち、いちみり
長編 2024/04/09 22:42 22,274view
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色坂は1人、キーキーと抗議の声を上げている
そんな色坂を見下ろし、
「いいか色坂、ボスはお前を『連れて来い』ではなく『持って来い』と言っていた。もはやお前を人間とすら思っていない。お前をボスに渡せば、あの人のことだ、獰猛な飼い犬の餌にしかねない。そうなる前に、オレが苦しまないように済ませるから!」

しかし色坂は、泣きながら「死にたくない」を連呼していた

その後も3人は話し合ったが結果が出なかったので、野村は2人をおいて帰った
どうにもならないことはある

※※※※※

1年後

「野村!」
非番の日、買い物に出た野村は声をかけられた

振り返れば吉見がいた
明るい顔でニコニコしている
「あぁ吉見、元気そうだな」
「こっちに帰って来たんだよ、もうアイツもいない」
「アイツはどうなったんだ?」
野村は小声で聞いた
「2ヶ月くらい前かな、オレが外出している間に、監視役が連れて行っちまった。その頃はアイツは1センチくらいで、もう声も聞こえなくなっていたよ。可哀想ではあるけど、自分で始末しなくて済んで、正直ホッとしている」
「そうか、お前は悪くないよ、気にするな」
「有難う、これからはまた地元で暮らすから、また会ったら宜しくな」

そう言って吉見は去って行った

前回会った時とは違って、何だか品の良さそうな爽やかな格好をしていた
もしかしたら彼女でもいて、これからデートなのかも知れない

何はともあれ、これからは他人に心煩わされないで、幸せに生きていって欲しい
吉見にも家族ができたら良いな、と野村は思った

※※※※※

色坂は監視役の男に、木箱に入れられてボスに差し出された
蓋を開けて小さな色坂を見たボスは、嫌悪感を示し、
「棄てろ」
と一言だけ命令をした

9/10
コメント(6)
  • ひきこまれた。

    2024/04/10/08:52
  • 引き込まれました。

    2024/04/10/20:51
  • 10ページもあったかと思うほどあっという間に読んでしまいました!怖かったです!

    2024/04/13/19:17
  • 面白かった。展開がハラハラする。

    2024/04/19/09:19
  • すごかった。

    2024/09/10/17:32
  • 投票はしましたが怖かったより面白かった、「せめて1m〜」のくだりで不覚にも笑っちゃいました。
    吉見さんに幸あれ!

    2024/10/06/10:11

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