変な看護師さん
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/04/03
23:48
24,973view
顔だけを向かいのベッドに向けた木村は成す術もなくただ息を飲み、ことの成り行きを見守っていた。
すると女は広瀬の寝るベッドにくるりと背を向けると、再びぎこちない動きで入口の方へと歩き出す。
─ペタ、、、ペタ、、ペタ、、、、
そして最後は室から姿を消した。
ようやく体が動けるようになった木村は広瀬の様子を遠目に伺ったのだが特に変わらないようだったので、不思議に思いながらも布団を頭から被った。
※※※※※※※※※※
「広瀬さん!広瀬さん!どうしたんですか?しっかりしてくださいよ!」
熟睡していた木村の耳に突然若い女性の声が飛び込んできた。
無理やり覚醒させられた彼は眠たげに目を擦りながら声の聞こえる方に視線をやる。
向かいのベッドの傍らで看護師の遠藤が、ぐったりとなった広瀬に懸命に声を掛けていた。
それから彼女は額に手をあてたり脈を取ったりしていたが、すぐに専用の携帯を出すと連絡をしだす。
しばらくして担当医師の男性が現れ横たわる広瀬に注射したり、またがって懸命に心臓マッサージをしたりいたが、やがて手を止めがっくり肩を落とすと遠藤の顔を見てから力なく首を振った。
※※※※※※※※※※
その日の朝方、広瀬は帰らぬ人になった。
ショックだった木村は朝食にも箸を付けられなかった。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 72票
病院での話しは、やはり怖いですね((゚□゚;))
人の生き死にに関わるところですから、やはり怖いこともあるでしょうね
─ねこじろう
なんだチミはってか! そうです。私が変な看護師さんです。
最後の一文はあの世に連れて行こうとしてんのかな?