飯酒盃(いさはい)という苗字の男
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/04/01
14:55
8,748view
飯酒盃の弁明に毒島は、
「分かってます、分かってますよ。
それでこの間あなたが3ヶ月前に行った教習所にも確認に行ったんです。
適性検査の結果はあまり芳しくなかったようですね」と言って飯酒盃の顔を見る。
「そうですよ。
だったら話は早いですね。
もう分かったでしょ?
だからあれは私の運転ミスだったんですよ」
「いや、そうはいかないんですよ」
そう言って毒島は藪睨みの目でじろりと飯酒盃を見た。
「どういうことです?」
「飯酒盃さん、あなた今は年金暮らしだが嘗てはベテランのバス運転士だったんでしょ」
「そうですが、
それがどうしたんです?」
「現役の頃無事故無違反だった人が、あんな初歩的な運転ミスをしますかね?」
「そ、、それは昔のことです。
今は年もとってるから、しょうがないじゃないですか」
少し怒り口調で飯酒盃は返した。
「年齢による認知・運動機能の低下とかいうやつですか。
まあ、いいでしょう。
じゃあ、この方、ご存知ですか?」
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 15票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。