売れない人形
投稿者:八尺マン (46)
「いつまでも売れないこいつを迎え入れようと思ってね」
きっと店主さんにとっては思い入れのあるものなのだろう
買ってくれる人がようやく現れたことは嬉しいことのはずだ
しかし、店主さんはなぜか戸惑っているようだった
「あ・・・。買うのかい? その・・・こいつを」
「ああ。何か問題あるかい?」
「い・・いや! そんなことはないんだが・・」
「じゃあ、買うよ。ええと、値段は・・」
俺は値札を確認しようとして、この人形には値札がついていないことに気付いた
そういえば、これに値札はずっとついてなかったような気がする
「あ・・いや、いいんだ。そいつはタダであげるよ。いつも贔屓にしてくれているからね」
「いや、でも、そういうわけには・・・」
「大丈夫だよ。さあ、持って行ってくれ」
店主さんはそういって聞かなかった
俺はその人形をタダで貰った
俺は家に帰って、他の小物グッズの中にその人形を迎え入れた
店にあるより可愛らしく見えた
やはり買ってよかった
それからだった
不思議なことが起きるようになった
その日、俺はいつも通り会社に行った
いつも通り電車に乗り、会社に行き、自分のデスクに座る
ただ、どうもいつもより俺を見る視線がおかしいように感じた
まるで珍しいものを見るかのような視線
いったい何なんだろうと思っていたら、いつもはあまり話さない女性社員に言われた
「あら、○○さん。どうしたんですか? 急に可愛いことしちゃって」
意味がわからなかった。急に可愛いことして?
どういう意味だ?
怖かったです((T_T))
( ゚д゚)
怖すぎる!
チャッキーみたいやな
それが魔物でも生きた人間でも勝手に気に入られて勝手に付き纏われ最後は命まで奪われるなんて理不尽で怖過ぎる。