優良物件の裏側
投稿者:青空里歩 (2)
救急車と警察が到着したらしい。
市街地にほど近い場所なだけに、外は、野次馬で騒然としていた。
「ここからは、私達が。事情は、後から詳しく伺います。」
警察が到着した時、中田さんは、パニック障害に陥り、過呼吸状態に陥っていたらしい。
腰の怪我に加え、左の肘が複雑骨折をしていた上に、身体中が打撲痕で赤紫色に変色していた。大声で喚き散らし、支離滅裂な言葉を発し続けた中田さんは、斎藤さんとともに、担架に乗せられ、救急車で緊急搬送されてしまったという。
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「そりゃ、あんなもの見た後じゃ誰だって正気でいられませんよ。そうでしょう?」
「では、探していた戸田さんは、どこに行ってしまわれたのですか?」
私の問いかけに、中田さんは、激しく首を横に振った。
「戸田さん・・・って、最初からいなかったんですよ。」
中田さんは、力なく笑った。
「どういうことですか。」
「・・・・・・」
「オーナーの斎藤さんは、大丈夫だったんでしょうか。」
「多分、大丈夫じゃなかったと思います。」
中田さんは、これ以上は勘弁してくださいと両手を横に振り、二度と口を開こうとはしなかった。
Yハイツは、オーナーを変え、今でも現存しているらしい。
B棟3号室が、その後どうなったのかはわからない。
中田さんは、長年勤めた不動産屋を辞め、今は、I県にある奥さんの実家で農業を営んでいるそうだ。
文章うまい!これからの作品にも期待!!
不気味です((( ;゚Д゚)))
ありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります。よろしくお願いします。
面白かった!
投稿してから日も浅いのに、率直な感想を頂戴し、とても嬉しいです。
何人かの方がYouTubeで朗読してくださいました。皆様が、新作を心待ちにしてくださるようなクオリティの高い作品を目指して頑張ります。
面白かったでしょうか。率直な感想ありがとうございました。