【short_59】美少女

ワタシの幼馴染に、とってもかわいい美少女がいました。
生まれた時からかわいい顔立ちで、５歳のころには赤ちゃんモデルとしてなにかの広告にも出ていました。幼稚園に入ってからもかわいく、男の子たちにもモテモテでした。

でもその反面、幼馴染のワタシと一緒にいる時には本当の顔を出してきます。

彼女は虫を殺すのが大好きで、捕まえて来たイモムシをビニール袋に入れて握りつぶしたり、ザトウムシというクモによく似た虫を見つけては足を一本一本ちぎり、その足が時計の針のようにピクピク動いて回転するのを楽しんだり、トンボをつかまえると羽根を左右へゆっくり引っ張ってブチブチちぎり、黄色い粘液が出てくるのを楽しそうに眺めていました。

私もその遊びに付き合わされ、ミミちゃんと名付けた大きなミミズをいたぶり殺しては最後にアイスの棒で作った「ミミちゃんのお墓」まで作らされました。

私はだんだんその子が怖くなり、少しずつ疎遠になっていきました。
私が中学、高校と成長して遠くの学校まで行くようになると、新しい友達もたくさんでき、ついにはその子と顔を合わせることもほとんどなくなりました。

彼女は彼女でその美貌からモデルやタレント活動をしていて大人気なのですが・・・
ウチの近所では最近、鳥やネズミなどの小動物の惨殺死体がよく見られるようになってきました。犯人はまだ捕まっていないのですが・・・私の脳裏にはあの子の顔が浮かんで仕方ありません。

だって、私の家の庭先に「〇〇ちゃん(私の名前)のお墓」と書かれたアイスの棒が突き刺さっていたのですから。・・・彼女の残虐性は変わっていないと思います。