同じ悪夢
投稿者:AISeen (3)
「ハァ!!フゥ!!!ハァ!!!」
僕は廊下を必死に駆け抜け、時折後ろを振り返る。
何かが僕を追いかけており、近い。そして、その何かに追いつかれれば、きっと命を落とすだろうと確信していた。しかし、振り返ろうとするたび、ただの暗闇しか見えない。一歩ごとに、その見えない脅威がますます近づいているような感覚。夢の中の長い廊下は曲がりくねり、出口はなく、ただ寒々とした廊下の壁が広がっていた。
「くそ、その何かは一体……うわぁ!!」
愚痴をこぼす前に、何かにつまずいてしまい、激しく地面に叩きつけられ、そして……
…………
……
「はぁ!!!」
目を開けると、手のひらと服が冷や汗で湿っていた。
「夢か……」
最近、同じ悪夢を繰り返していた。夢はいつも長い廊下から始まり、何かが僕を追いかけ、無意識に逃げるだけだ。そして、それは錯覚かどうか分からないが、夢はますます鮮明に感じられるようになっていた。しかし、夢のクライマックス時に何が起きたのかを覚えていない。
「……大丈夫、ただの悪夢だ。」
携帯を見つめると、目覚ましの音が鳴るまであと1時間だが、もう眠気は感じられなかった。
「起きよう、おそらく最近ストレスがたまりすぎているんだ。」
…………
しかし、僕は間違っていた。
最初、これを普通の悪夢と考えていた。しかし、実際には、夢の中の光景が日常生活と一致し始めることに気づいた。家、仕事場所、そして知らない通りまでが夢の中で再現されていた。そして夢の中自体もますます現実的になり、次第に僕の覚醒した時間に浸食していった。
…………
「うぅ……」
口からはただ唾液が出るだけで、胃の酸が逆流する灼熱感に耐えながら、最近買った薬を取り出す。
時間が経つにつれ、ますます夢と現実を区別できなくなっていった。様々な方法で悪夢を回避しようと試み、寝ないように自分を強制したり、夢の中で自分を強制的に目覚めさせたりした。毎日繰り返されるこれらの無駄な試みは、ただ悪夢が再び訪れないことを願うだけであった。しかし、それでも効果はなかった。
友人や家族は僕の異変に気づき始めていたが、どんな人にも説明できなくなっていた。ますます心配になり、最終的には専門の助けを求めることを選んだ。
…………
「おそらく、過度な精神的なプレッシャーが原因だろう。一定期間、入院して観察することをお勧めします。」
病院に入院し、心理的な疾患の患者として診断された。医師たちは、僕の夢が精神的なストレスと不安の表れかもしれないと考えていた。
「……」
深夜、僕は病床から起き上がり、病院の薬剤の匂いが少し違和感を覚えた。しかし、このような未知の環境のせいか、なぜかかなり良く感じられた。
病室を出て、トイレに行こうと思っていたが、医院の廊下に入った。突然、寒気を感じ、まるで夢の中の脅威が再び訪れたかのようだ。
無意識に歩みを速め、ついには走り出してしまった。
病院の廊下は曲がりくねり、寒々としていた。足音が空っぽの廊下に響き渡った。振り返ってみると、まるで闇の中に何かぼんやりとした存在があるような気がした。
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