お調子者の小岩くん
投稿者:太山みせる (35)
「え、オレはここにいますけど?」
「そうだな、昨日といい今日といい、お前は登校したし、お母さんは疲れているのかな?」
「昨日?昨日はオレ、学校を休みましたよ!」
「え?」
その言葉に教室が騒然となる
「「「昨日いたじゃない!」」」
クラス中の声に、
「昨日は具合悪くて、母親と一緒に病院に行って学校には来てないよ!」
小岩くんは必死に否定した
「いやいやいや、いたから!」
「購買でパン買って一緒に食べたし!」
「休み時間、一緒にゲームしたじゃん!」
あちこちから抗議の声があがる
小岩くんは普段は冗談ばかり言っているが、この時は本当のことを言っているようにしか見えなかった
「だーかーらー、昨日は病院に行ったら、速攻入院と言われたから来てないって!」
え…入院?
「入院したのに、何でここにいるんだよ」
誰かが言った
小岩くんは、
「そうだ、オレは入院したんだ…、えっ、ではここは?」
と呟いて、フラフラ立ち上がった
そしてそのまま、スーと消えた
「「「!!!」」」
教室中に悲鳴が上がった
「どういうこと?もしかして小岩くん、死んじゃったの?」
騒いでいる生徒の前で、先生は慌ててスマホを取り出し、小岩くんのお母さんに電話を掛けた
「………はい、それでは息子さんは無事なんですね、それなら良かったです。入院の件は承知しました。それではお大事に」
そう言って電話を切り、それから生徒たちを見て、
「小岩は無事だ!生きている!どうやら小岩は、学校に来たくて、気持ちだけ来ちゃったんだと思う。生霊という奴だ!きっとそうだ」
と言った
亡くなった人は亡くなった時のまま年をとらないんですよ。
亡くなっても、お調子者、小岩井くんも友達が大好き友達も先生も小岩井くんが大好きなのが伝わるとても素敵な話しでした。
小岩、お調子者だから出てくるなよを出てこいの振りだと勘違いしちゃったか?もうこうなったら次はいつだ?ってワクワクしそう