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不思議体験

prudence1968さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ねこ
長編 2023/10/21 23:13 5,020view
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そうして2週間が経った時、タヒんでしまった。
クロではなくお母さんが!
お母さんはまだ52才の若さだった。
Aさんはひどくパニックになってしまい、葬儀やらその後の対応、そして母を亡くした悲しさで疲れてふさぎ込んでいたらしい。
先日の譲渡会に来られなかった理由が、はからずもわかった。
Aさんはそのことでふと思い出したという。猫は自分のタヒだけでなく、人のタヒも分かる、ということを。
クロが膝に乗っていたのは、お礼を言うためだったかも知れないが、去るのはお母さんの方だと知っていたからかも知れない、ということだったのだろうか。

お母さんの葬儀の後、1週間経った頃から、クロが今度はしきりにAさんの膝に乗ろうとするようになったそうだ。
かつては膝の上にクロを乗せたがっていたAさんだったが、不気味に思えてしまってその気になれなかったという。
話を聞いている自分としては、ちょっとおおげさじゃないか、たまたまなのでは、と思った。

しかし、Aさんは日に日に神経質になり、ついには猫が恐ろしくなってしまったのだという。
クロと目が合うと、次はお前、と訴えて来るように思えてしまう、と。
電話で話した時の妙な感じは、もう猫には関わりたくなく、あなたとも猫の話はできない、という心の現れだったのだと思った。
ファミレスで会った日は、クロがAさんの膝に乗りたがるようになってから3週間ほど経っていたが、とりあえずなんともない。

ひとしきり話をしてファミレスを後にした。その後、少しでも元気づけられればと思い、ほぼ毎日LINEをした。
返信はちゃんとあったが、猫の話題はこちらからも書かなかった。
そうしてAさんとファミレスで会った1週間後の日曜日、その後の話をいろいろ直接聞いてみたくなり、LINEではなくまた電話をかけてみた。
すると男性が出た。おや、間違えたかなと思ったが、念のため「Aさんの携帯ですか」と尋ねると、電話の男性はAさんの弟と言った。
そして「姉は昨日亡くなりました」と続けた。
!!言葉が出ないとはこのことだ。

Aさんの葬儀に行った。実感が湧かなすぎて涙も出なかった。
葬儀場には、ケージに入れられた黒猫がいた。この猫がクロか、と思い、ご家族らしき方に訊いてみたところ、やはりそうだった。
葬儀場の許可を得て、最後のお別れということで猫を同伴して来たのだという。
生前は、Aさんから猫のことをいろいろと教えてもらい、お世話になったことをご家族に話した。
クロのケージに近づいて覗き込んで見た。
すると、向こうを向いていたクロはこちらに体ごと向き直り、自分をじっと見つめてきた。
猫はふつう、敵対視していない相手からはすぐに目をそらす。
クロはそうではなかった。次はお前、と聞こえたような気がした。
気のせい気のせい、今初めてお目にかかったわけだし、と思った瞬間、クロが右手(前脚)でケージをガリガリし始めた。
次はお前、ともう一回聞こえたような気がした。
気のせいだと信じることにした。

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コメント(2)
  •  偶然かもしれないですし、大切に飼われていたのなら呪う訳はないでしょう。
    亡くなられた方が、病気、事故であっても警告してくれたとは考えられないでしょうか?

    2023/10/24/02:13
  • 寝るときねこ腹に乗ってくるんだけど、、、
    まぁ大丈夫だよな
    はは
    気に、、、

    2023/11/01/11:19

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