「うぉりゃーーー!!」朽屋の斬撃がバルベリトを激しく襲う。それを赤い盾を使って受け止めながら反撃を繰り出すバルベリト。
「フン!キサマ、我が馬と薔薇を殺したやつがどんな手だれかと思って来てみれば、まさかこんな小娘にしてやられたとはな!」バルベリトは棘のムチを剣のようにして朽屋に叩き込んでくる。朽屋の反撃がバルベリトの右腕を切り飛ばす。
「どうした、その小娘に腕を切られたぞ!!」
朽屋の攻撃を盾でしのぐ。激しい打ち込みが続くが、とうとう『小豆長光』は鋭い金属音とともに力尽き、折れてしまう。
バルベリトは盾で朽屋を突き飛ばす。その隙に右腕を再び復活させるバルベリト。
「クッソ・・・チカラが・・・」朽屋は力を急激に消耗し、倒れ込んだ。
朽屋にはすでに抵抗するだけの力が残っていないようだった。
バルベリトは棘のムチを槍と化し、朽屋の心臓めがけて突き刺す!!
だが、朽屋を狙った槍の先がことごとく何かに跳ね返されている。
三本のカラスの足が、空中に現れては、バルベリトの槍をはじき返しているのだ。
「なるほど、ベールゼブブ様が以前言っておられた通りか。この国には八百万の神がいて、
我らの力は100%発揮することができないと・・・」
そうして攻めあぐねている所に、背後からライフル狙撃が始まった。
朽屋の魔弾ほどの破壊力はないが、赤いヨロイを突き破ってくる。
組織から派遣された戦闘部隊である「梟隊」が空中でホバリングする黒いV-280から
次々と降下して配置につき、バルベリトに向けて射撃が開始された。
「フン」バルベリトは自分の周囲にバリアのようなものを展開し、梟隊の撃つ魔弾はなかなか通らない。「強い!・・・」誰もがバルベリトへの打つ手がないと感じ始めていた時、
つぐみ隊が異常を検知した。
(警戒!! バルベリト上空に結界を破って何者かが侵入してきます!)
「ん・・・これは・・・」バルベリトは上から降り注ぐ黄金色の輝きに一瞬目を奪われた。
天井に次元の穴のようなものが開いている。
次の瞬間、羽を広げた何者かの影が突然現れ、雷鳴と共に光の速さでバルベリトに剣を振り下ろした。「グァッ・・・あ、ぁぁ」真っ二つに切り裂かれるバルベリト。
「法王騎士団団長、貴澄・ベアトリーチェ・頼子である。滅せよ、悪しきもの!!」
バルベリトの意識は消失し、身体は金色の光に包まれ光の粒子となって消えていく・・・。
(全隊撃ち方ヤメ! バルベリト沈黙!! すぐに救護活動に入れ!)
倒れている朽屋に駆け寄る頼子。
「ルコちゃん、大丈夫?」
「・・・さすが、団長・・・私より、あっちにニンニンが・・・かなり深手を負っている・・・そっちを・・・助けてやって・・・」
「分かったわ」そう言って頼子は忍足の方へ向かいながら、片手を横に大きく振りスペルを唱える。ヒーリングが屋敷全体にかかる。死んだ者には効かないが、まだ息のあるものなら幾分回復したはずだ。
「ニンニンさん、わかる?頼子よ。状況終了。すぐ医療班が来るわ。助かってね」
ヒーリングを追加でかけつづける頼子。
つぐみ隊がすぐに担架に固定し、忍足を連れて行く。























kamaです。朽屋瑠子シリーズ第11作目は、対バルベリト戦です。
今回は登場人物も多いですが、個性ある人たちが多いので好きになっていただけたらいいなーと思います。尚、ネタバレですが、文中8pでヤクザの事務所が「渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5」となっていますが、これはもちろん架空の住所で、知ってる人は知っていると思うのですが、1992年に公開されたウッチャンナンチャンの主演映画「七人のオタク-カルトセブン-」で、主人公の南原さんが無線オタクをつかまえるための罠として流し続けた謎の暗号「・・渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5・・渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5・・」というのが元となっております。今回のお話では渋谷区を舞台にしたかったためです。ラストも朽屋がキルビルやってる姿を想像しなから読まれると、楽しさ倍増かと思います。ロマンホラーということで、お楽しみください。
面白かったです。一気に読みました。
今回も面白かったです
このサイトの他の作者の作品も、朽屋瑠子にかかれば全てハッピーエンドになるのに!
↑kamaです。コメントありがとうございます。19ページもあるのに一気読みしていただいてありがとうございます。感謝!!
個人的に朽屋瑠子シリーズをおもしろいと言ってもらえるのが一番うれしいです。自分で読んでて一番おもしろい作品ですからw
今朝も会社に行く前に「どこか間違いはないかな~と読んでたら、途中からおもしろくなってきて止まらなくなり、あやうく遅刻するとこでした。フ~アブナイ~~
瑠子シリーズ今回もドキドキしながらも楽しく読ませて戴きました。九郎ちゃんと瑠子のバディ、今後が楽しみです。
読んでいるうちに目が冴えてしまい寝不足です。
今回のも面白かったですよ。
でも、組長が死ぬなんて?
気になるのは九郎が朽屋の体を拭いてるときに赤ちゃんみたいって笑うとこがあるんですが、えっ、朽屋の体にベビーなところがあるってことですか?!
↑kamaです。コメントありがとうございます。
ドキドキしながらみていただいて、本当に感謝です。
寝不足にして、スイマセン!楽しんでいただければ本望です。
朽屋の裸で赤ちゃんみたいなところ・・・たぶん、肌ですかね?わかりませんが。
・・・組長と桐原が死ぬのは、実は僕も葛藤がありました。なにも殺さなくてもいいんじゃないかと。逆にここでニンニンを死なせてしまおうかなとも思っていました。
でも、ニンニンが死ぬと呼び出した朽屋の責任問題にも発展しそうだし、明るく終われない気がしたのでニンニンは生かしました。組長と桐原さんももったいなかったですが、彼らはやはりヤクザですから、極道には極道の道があります。死んで花実が咲くというか。実際彼らは作品内で人殺しをしたと語っていますから、作品を読んだ人の中には人を殺したやつがなぜ生きながらえているのかと反社に対して嫌悪感を抱く方もいると思います。だからこのような結末が似合いだったのかな、と思います。問題は九郎ですね。彼(彼女)は本編内で5人殺してると言ってます。なのに最後は明るく朽屋と仲間になりそうな雰囲気ですが・・・果たして殺人を犯しているキャラが普通に受け入れられるのか・・・というのは非常に難しい部分もあると思います。ボクの作品の作り方からすると・・・九郎も組長と同じようにどこかで死ぬ運命にあるのか・・・あるいはこの呪縛を説くために、九郎は実は殺しなんかやってなかったという設定を用意するか? 子供時代からの洗脳で心神喪失状態だった?
さてどうなるでしょうか。本文内では自分の死をいとわない行動が目に付く九郎ですから、これから先も死線に最も近いキャラとして登場していくかもしれないですねぇ。・・・先の事は判りませんね。
これを初めて読んだんですけど面白かったです!
他のも見てきますw
文体が面白いだけでなく、作者の深い知識に感心させられる。
アクションの表現もいいので一気に読んでしまう。
シリーズの他の作品も急いで読みたいし、今後も追いたいと思った。