山の中に響いた不思議な声
投稿者:皐月 (31)
長編
2020/11/06
23:47
15,070view
「本当は、明日こっちへくるはずだったんだよ」
Rさんがポツリと言います。なんでも、工具が壊れてしまい、実家に同じ物があると思い出して、久しぶりに実家にくることになったそうです。
「不思議なんだよなぁ。明日行こう、明日行こうって思ってたのに、なぜか今日来ちゃってさ。親父のめぐりあわせかもしんねーな」
Rさんの笑い声に、私たちもやっと笑えました。
考えてみたら、私たちはRさんのお父さんに助けられたのです。
もし、あのときに声が聞こえなかったら、私は崖から落ちていたのです。そう思うとゾッとしました。
山から自宅へ帰ると、両親には思いっきり怒られてしまいました。
Aちゃんも同じだったようで、2人で反省しました。
あの時聞こえた不思議な声のことは、さすがに両親にも言えませんでした。
ですが、山を見る度にあのときのことが鮮明に思い出されます。
改めて思い返すと、あのときに聞こえた男性の声には、本当に感謝しかありません。
もしも、あのとき声がしなかったら今の私はいないかもしれないのです。
前のページ
3/3
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 35票
スポーツカーに乗った、アフロヘアのマスク姿の変態というのが見事なパンチライン
助けていただいたのに、女性特有の気質というか、
わかりませんが、感謝の気持ちが薄く感じます。
作者も友人も中学生の少女。変質者の話をあらかじめ聞いていたのに、夜間に車に乗って急に現われた男をそのまま信じて乗り込むとは――。
まあ、思春期の少女の精神的未熟さが出ただけかも知れませんが、一歩間違えれば彼女らが犯罪の犠牲者、あるいは「中学生女子失踪事件」の被害者になっていたかも知れず、それがかえって恐ろしい。
非常に目立つ変質者の伏線はともかく、鈴はどうしたんです。鈴。
鈴が気になる。