怪談の踊り場
投稿者:太山みせる (35)
私が卒業した高校の先生から聞いた話
ある日、若い男の先生が宿直当番で、夜の見回りをしていた
階段を上がっていたら、上の方からポーン、ポーンとボールを弾ませるような音がしてきた
何だろう?と思っていたら、女の子の歌声が聞こえてきた
小さい女の子が歌いながらマリをついている、そんなイメージが浮かんだ
困惑して足が止まる
先生は幽霊の存在は信じていなかった
だが、何だか分からないけど行ってはいけないと本能が警告している、そんな気がしたそうだ
怖いけど見回りの仕事をしなければ!真面目な先生はそう決心して、ゆっくり上がり出した
今度は男の声が聞こえてきた
『へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ…』
息継ぎもなく、ずっと「へ」の発音で笑い続けている
そんなこと生きている人間にできる訳がない!
「やばい、もしかして幽霊は本当にいるのか?」
ズルズルッと何者かが激しく這い回る音までしてきた
たくさんの男女のヒソヒソ話のような声もしてくる
階段を上がるにつれ、声の人数が増えてくるようだった
声だけでなく、飛び跳ねるような音、壁を叩くような音…実に騒がしい!
一気に階段を駆け上がった
そして先生は見てしまった!
3階と屋上の間の踊り場で、幽霊の団体さんを!
「ギャー」
驚いた先生は階段を踏み外した、そしてそのまま気を失った
しばらくして、ザワザワする気配がした
数人が自分を見下ろしているようだ、倒れているから心配しているのだろう、そう思って目を開けた
「幽霊を初めて見ちゃったよ、それもたくさん」
と話しかけた
恐怖の体験を早く聞いてもらいたかったのだ
怖すぎる