追いかけてくる※※
投稿者:haruton (25)
Tは首を傾げた。
今は冬だから当然窓は締め切っていたのに。
Tは困った。なにせ蜂だからね。
Tは蜂が出ていくように、そっと掃き出し窓を開けた。
すると蜂はそのまま外に出ていった。Tはもう蜂が家の中に入らないように、さっと窓を閉めた。
安心したTは、ゲームを再開したんだ。でもね、また聞こえてきたんだよ。
家の中にーー羽音が。
Tは掃き出し窓のほうを振り向いた。
そうしたらね。
いたんだよ。さっき追い出した蜂がね。
Tは少し苛ついた。なんでまた入ってきているんだよと。
さっきと同じように掃き出し窓を開けて蜂を外に出した。鍵を閉めて、そして蜂がどこかへ飛んでいくのを見守った。
蜂が姿を消すと、Tはゲーム機を手に取った。
するとすぐまた…。
ブーン。ブーン。
とTの頭の上から聞こえるんだよ。
驚いたTは上を見上げると、あの黒い蜂がいたんだよ。Tは刺されないように即座に蜂から距離を取った。
なんでいるんだ。どうして。
Tは混乱した。
それでもこのままにしてはいられないので、Tは蜂の様子をみながら、ゆっくりと掃き出し窓に近づいて開けたんだ。蜂はしばらく天井にぶつかりながら飛びまわっていたけど、やがて外のほうに向かっていった。Tは素早く掃き出し窓を閉めた。
掃き出し窓から蜂を見ると、蜂はガラスに体当たりしていた。Tはその時初めて、その黒い蜂をじっくり観察した。その蜂はお尻に白い線が入っていたんだよ。
こんなデザインの蜂いたかな?
とTは疑問に思った。余は思うのだけれど、どこかに虫が入れる隙間でもあったのかもしれないね。通気孔の隙間とかにね。
Tもそのことに気付いたのか、クーラーの穴の隙間を確認した。でもね、クーラーの穴はしっかりと塞がれていたんだ。Tは不思議に思っていると、耳元にブーンという羽音が聞こえた。
Tは
「うわあああ!」
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