コオロギ男
投稿者:kana (210)
山奥にポツンと一軒家に棲んでいたある夫婦。
ニワトリを飼って、肉や卵を売り、山からは木の芽やいろいろな飾りになる植物などを摘んでは売り、生計を立てて気ままに暮らしていた。
ある日、旦那が街へ出た帰り、おかしな情報を仕入れてきた。
今、世間ではコオロギブームで、コオロギを食べようという動きになっているらしい。
コオロギなら山にもたくさんいる。
さっそく飼育してみようということになった。
最初は小さな虫かごからスタートし、水槽になり、衣装用ケースへとだんだん大きくしていった。けっこうな数になった。
果たしてこんなものが食えるんだろうか?
自分たちでも食ってみた。
中華鍋で一気に揚げると、エビみたいな感じでけっこうイケた。
ブームに乗ってコオロギを買いたいと言ってきた食品メーカーも出てきた。
よし、もっと大きいコオロギ舎を作ろう。逃げられないように密閉度も高くして・・・。
夫婦はコオロギを飼育しながら、いろいろな食べ方を日々研究した。一番簡単なのは乾燥させて粉にしてしまえばなんにでも練り込めるところだが、これだとコオロギのうまさが出ない。夫婦でアレコレ試していると、最終的に生食が一番うまいということになった。新鮮でプリプリしてて、ビールとも合う。
旦那はと言えば、もうコオロギが好きすぎて、毎晩コオロギで晩酌をして、
見るからにだんだん太って来た。
ある晩夫婦が寝ていると、旦那がむっくりと起きあがり、どこかへ出かけた。
妻は不審に思い、こっそり後を付けてみた。
すると、なんのことはない。コオロギ舎に入って行くではないか。
こんな時間にいったい何をしているのだろう・・・
そう思い、コオロギ舎を覗いてみると・・・
そこには・・・何千、何万と増えたコオロギたちの中に、全裸で四つん這いの旦那がいた。・・・まるでカエルかトカゲにでもなったかのように、舌を伸ばしてはコオロギを一匹、また一匹と捉えては丸呑みしている。
「きゃぁぁぁぁ」さすがの妻も絶叫してしまった。
「みぃ~たぁ~なぁぁぁぁぁ~~~」旦那が針のような細い目でこちらを見て、
襲い掛かってこようとした。
妻はとっさにドアを閉め、外から鍵をかけて家に逃げた。
そのまま布団にもぐりこみ、ガタガタ震えて朝を迎えてしまった。
翌朝目覚めた妻は、昨夜のことを思い出し、ハッとした。
いくらなんでも全裸の旦那をコオロギ舎に一晩監禁してしまった。
あわてて飛び起き、恐る恐るコオロギ舎に近づく。
気のせいか、コオロギ舎の中からいつもよりハデにザワザワザワと音がする。
恐る恐る扉を開ける。
kamaです。スイマセン。今回はやっちゃった感があります。反省してます。
確か「コオロギ」って雑食性だから動物の死骸もエサなんだけどなぁ…
最後の二行が恐い
怖すぎんだろ
妻の言葉サイコすぎ
コオロギ男よりコオロギ女の方か怖かったwww
怖かった
面白かった。
第二弾はゴキブリ男にして、ムカデ人間2みたく、徹底した気色悪さ、嘔吐するくらいの嫌悪感を抱くまで、とことん追求してほしい。
…不毛な指摘かもしれないが、
日本本土の野山にいるコオロギは季節感が繁殖に関わってくるので
養殖にはコストが高くて向いていない。
食用やペットのエサ用に使われるのはいつでも殖やせる南方産の種類や外国産種だよ。