変なアルバイト「池の掃除」
投稿者:赤壁二世 (13)
夕暮れ時、ようやく作業が終わる。
すると「お疲れ様。いやー、助かったよ」といつもの温厚な先輩に戻ってた。
作業を終えると上流の綺麗な川で作業着や泥汚れを軽く手洗いで流し、脱いだ作業着をカゴに入れる。
一通り水を切った後は車に詰め込み、散らばった道具を回収して後は帰るだけだった。
そして、山を降り、俺たちと待ち合わせに利用したコンビニまで送ってもらうと、駐車場の車内で日当が現金払いされた。
百均で買ったような白い封筒を先輩から個別で手渡しされる。
さっそく中を改めると「あれ?3万円入ってますよ」「俺もだ」「ホントだ」と俺たちはびっくり。
「さっき先方に電話したときにお前らの働きようを伝えたら喜んでくれてさ。ちょっと色をつけておいてくれって頼まれたから。ボーナスみたいなもんだよ」
どうやら山で電話していた相手はこの仕事の依頼主らしい。
だが、俺たちはうまく喜べなくて不器用にはにかんで見せた。
先輩は「じゃあ、また仕事頼まれたらお願いすることがあるかもしれないから。その時はよろしくな」と言い残し、車を出した。
そんな先輩を見送りつつ、俺たちは無事に帰れたことに安堵する。
ただ、もう二度と先輩からのアルバイトの依頼は受けないと決めた。
あの池が何に使われているのか、あの髪の毛や指輪の持ち主は誰でどうなっているのかは分からないが、関わり合いにならない方がいいと思ったから。
それでも数ヵ月に一度の頻度で先輩から「バイトしないか?」と誘われる。
このまま番号を変えて安易に先輩と連絡を絶つべきかかなり悩んでるが、毎回なんとか理由をつけてうまく断っている。
いったい俺たちが掃除したあの池は何に使われてるんだろうか。
もしかしたら今も誰か知らない人たちがあの池のバイトをさせられているのかもしれない。
kamaです。いいですね。ゾクゾクしました。
面白かった
闇が深いな
読みやすいです。ひきこまれました。
うーん。オチが欲しかったなー