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不思議体験

4ルポさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

真夜中のツーリング
短編 2023/03/21 00:08 1,037view

私が中学三年生の頃の出来事です。
その頃はあと半年後に高校受験を控えていた時期でした。
昼間は塾に通っていて遊ぶ暇もなかったので、塾の帰りに友達と自転車で放浪するのが唯一の楽しみでした。

その日もいつも通り塾が終わって、時刻は23:30頃だったと思います。
「今日はちょっと遠くまで自転車で行ってみよう!」と友人が言ったので私も賛同し、
いつも行かない方向へ行くことに。

30~40分ほど自転車をダラダラ漕いでいると、もはやどの地域を走っているのかも検討が付かない場所まで来ていました。

次の日は午前中に予定がなかったので急いで帰る理由もなかったのですが、知らない場所というのもあり急な不安感に襲われ

「そろそろ戻ろう」と友達に提案し、マップを見て帰ることにしました。

ところが、何分待ってもマップが開けません。電波を見ると圏外。でもそんなはずはないのです。

私が住んでいるところは東京の都心に近い位置なので、自転車で30分進んだところで圏外になるはずがありません。
私も友人もかなり焦りましたが、とにかく分かる場所まで戻ろうということで記憶を辿ってもどることにしました。

でも戻っている途中、やっぱり何かがおかしいと感じました。

信号にある地名が書かれた看板や電柱の街区表示板には、読めそうで読めない漢字の表記(中国語のようなもの)が書かれているのです。
そしてすれ違う人や車も一切なく、開いているお店もありません。地名を聞こうにも聞けない状況に焦りが募りました。

もう訳が分からなくなり、とにかくここから出なければ!!という思いで友人ととにかく自転車を漕ぎました。

そうすると、やっとコンビニが一件見えてきたのでそこに入り、店員さんに地名を聞いてやっと自分たちのいる場所を把握しました。
電波も入っていたのでそこからはなんとか帰れそうです。

でもさっき見た看板の表記は何だったんだろうと思い、店員さんに聞いてみると「このあたりでそんな地名は見たことも聞いたこともない。」と言われました。

そんなことはないはず…!と思いながらも、帰る途中に見た大きな大学病院のような建物や、奇抜な色をした家(黄色の屋根にと赤色の壁)もみたので、
その話もしたのですが、そんな目立つような家は一件もないし、大学病院のような大きな建物もないというのです。

あのとき私達が言った場所は実在する場所なのか。
別世界に一時的に行っていたのか定かではないのですが、意識はありましたし夢でないことはたしかです。

他の人に話してもあまり信じてもらえないので、今では友人と2人の席でたまに話す程度に留めています。

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