古屋の真実
投稿者:take (96)
長編
2023/03/26
00:03
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旦那さんは気味が悪くなって、天井の雨漏りを直したあと、ちょうど真下に台所があるから、漏れた水が下にも沁み込んでいないか見てくれと言われて、ちょっと
調べたらしいのですが、そのとき、腰につけていた道具袋が擦れて、裏口のドアに貼られていたお札を剥がしてしまったのです。
お爺さんが席を外していた時だったので、あわてて手持ちの接着剤でくっつけて繕ったそうです。
去年の秋といえば、ちょうど裏口から、あの女性が家を出ていくのをKさんが目撃したときです。
もしかしたら……悪霊というのはあの女性だったのではないか。
入ってこられないように、お札やしめ縄で防御していたつもりが、反対に悪霊を閉じ込めてしまっていたのではないのか。
旦那さんがお札を剥がしてしまったことで、その悪霊は家を出ていったのではないか。
いや、そもそも悪霊だったのか、お爺さんが故意にその女性を封印していたのではないか。
そのすぐ後に、家は空き家になって、お爺さんはその後どうなったのかわからない……。
「すべて私の想像なんですけどね、なんか色々繋がってきそうな出来事じゃないですか……まあ、もう調べようがないんですけどね」
Kさんはそう言って話を締めくくりました。
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