仔猫 (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
田舎暮らしをしていた小学3年生の頃のお話。
学校帰りに近くの公園に寄って友達と遊んでいた私は
夕方、日も暮れ始める頃になってから友達と別れて、
家に帰ることにしました。
私の背たけよりも高いススキの穂が連なる草むらの横を、ひとりトボトボ歩いていると、
ダンボールの箱が路肩に置いてあるのに気が付きました。
そして、そこからミャーミャーと鳴き声がしています。
「猫だ!」
私はすぐに駆け寄って中を覗き込みました。
中にはまだ目も開いていない生まれて間もない仔猫が数匹動いていました。
かわいい、連れて帰りたい。そう思いましたが、
うちにはすでに犬もおり、ペットを飼って良いか母に相談しなければいけません。
そこからダッシュで家に向かいました。
家に着くともう夕飯の支度が済んでおり、
先にご飯を食べなさいと母に言われました。
急いで仔猫の元に戻りたい私は少々駄々をこねましたが許してもらえず、
ご飯を食べながら仔猫の話を母にしました。
最初はダメだと言っていた母も、もともとは動物好きなこともあり、
私が責任をもって育てるなら良いと認めてくれました。
うれしくなり、急いでご飯を食べて仔猫の元に行こうとしましたが、
日の暮れるのも早く、外はだんだん暗くなってきていました。
そこで父の持っている大きな懐中電灯を借りて仔猫の元まで行くことにしました。
しばらくしてあのススキの原っぱのある道に差し掛かりました。
ダンボール箱を目指していた私は「あっ!」と思いました。
先客がいるのです。昔のもんぺ姿をしたお婆さんがダンボールの前にしゃがんでいます。
「あ~、お婆さんにみんな連れていかれちゃうのかな~」と思いながら、
私はちょっと電柱の陰に隠れてその様子を見ていました。
すると突然、
「バリっボリっ」
となにかを砕くような音が聞こえました。
怖いですね、、、私も捨てられた仔猫を見つけて、新しい飼い主を探した事があるので、猫〜助かってろ〜って祈ってしまいました笑
↑kamaです。コメントありがとうございます。昔はよく捨て猫を拾っては飼っていました。今はペット禁止の所に住んでますが、夢はやっぱり猫と暮らすことです。