「朽屋クン、後ろだ! 学園内に戻るぞ」
「ハイ!」
「・・・出てはいけない!!・・・」
「・・・出てはいけない!!・・・」
「・・・出てはいけない!!・・・」
耳を塞いで走るより子。
「・・・なぜ私の言う事を聞けないんだ! ベアトリーチェ!!・・・」
より子は愕然とし歩みを止めた。
「お・・父さん・・なの?」
「・・・戻るのだ、おまえだけは、日本軍に渡さない・・・」
「お父さん・・・お父さんだったの・・・」
「・・・戻るのだ、我が娘よ。おまえに危害を加えるものは、この私が・・・必ず殺す」
より子は手を合わせて祈りをささげながら、
先ほど消えてしまった翼をもう一度広げて見せた。
「お父さん・・・ありがとう。でも、戦争はもうずっと前に終わってるのよ。日本軍なんてもういないの。それに見て、私、天使になったの。それと・・・」
少しの沈黙の後、意を決して話すより子。
「それと・・・好きな人が出来たの。これからその子の所に行くの。
・・・だからお父さん・・・邪魔しないで!!」
「シャキーン」と鋭い金属音が石碑を走る。
ルーカ神父のソードが石碑を真っ二つに切る。
「にゃはは、聞こえたよ! より子ちゃん初めての反抗期でお父さんショックかな?
そうなんでしょ? 初代ダヴィデ神父!!」
朽屋が煽る。
紫色の光が石碑の中から不気味に輝きだす。
「・・・皆、殺す・・・私は日本を、滅ぼす事にした・・・」
「ダヴィデ神父・・・お初にお目にかかります。私は法王騎士団のルーカ神父と申します。
イタリア本国からの命で、あなたを滅するために派遣されました」
























kamaです。先ほど投稿させていただいた「より子ちゃん」の裏で起きていた一大事件を書かせていただきました。まず先に「より子ちゃん」を読まれてからこちらを読むと、面白さも倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で4作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズも読まれると世界観が広がると思います。
あと、今回27ページもの大長編となってしまいました。頑張って読んでくれた方、ありがとうございます。・・・これだと誰も怪談朗読してくれないだろうから、そのうち自分でやろうかな・・・と思ってます。
まるで吸い込まれるような感じで、最後まで拝読させて戴きました。続きを早く読みたいです。
↑kamaです。27ページもあるのに読んでいただき感謝です。
朽屋瑠子シリーズは今後、短編をいくつか出しつつ、たまに長編みたいな、そんな感じで出して行こうと思ってます。
kamaです。
涼君が押し入れの鉱石採集セットを見つけてより子ちゃんに再開するシーンに、
『ローズクウォーツが抜け落ちた鉱石採集セットのように、
涼の心にもぽっかりと隙間が空いているようだった。』
という一文を追加させてもらいました。
・・・詩的でしょ?
まさに、涼君の鉱石セットのくだりがホロリと来ました。短編物も拝読させて戴きましたが、瑠子シリーズはスリルがあっていつまでも読みたくなります。
↑kamaです。ありがとうございます。どこかホロリとくるシーンがあるのって、いいですよね。怪談は怖い話ばかりじゃないと思いますし。
奇々怪々に「怖いボタン」以外も欲しいです~。
また楽しみにしていてくださいね。
ボクはより子ちゃんが泥だらけになっても涼君を追いかけるとこでホロリと来ました。
より子ちゃん単独の話だけ見ていると、子供の誕生日になぜ教会から出られないより子ちゃんが家まで来たのかわからなかったけど、これでつながりました。
↑kamaです。ありがとうございます。朽屋瑠子シリーズは、ボクの作品の裏で起きてる解決編みたいな構成で、オムニバス的に楽しめるようにしてます。これからもよろしくお願いします。
今まで投稿話の中で27ページという最長の話を投稿されたkama先生お疲れ様です。ところで今回の話も場合によっては改稿などで短くなるでしょうか?
↑kamaです。ありがとうございます。改稿の可能性は無いとは言えませんが、今のところは「やり切った感」が強いので、あったとしてもたぶん1年後とか、あるいは改稿しないか・・・という感じです。そうですね・・・やるとしたら戦争の歴史を説明している部分をもう少しはしょるとか・・・ですかね。でもあの部分もより子ちゃん親子がいかにして生涯を閉じたかの部分なのでバックボーンとしては残しておきたい気もしますし。まぁとりあえず今は次の作品を出すことの方を優先したいと思ってます。ありがとうございます。
色々な方の長編作品を読んでいた際にkana様のクッチャルコシリーズを見つけ、初投稿から読ませていただいているのですがこの話で先に読んでいた作品と繋がってとてもテンション上がりました…!!
本当に楽しく読ませていただいてます!!ファンです!!!