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呪い・祟り

takeさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

カエル石の禍
短編 2023/03/12 21:39 3,424view
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大学時代の友人Yに聞いた話です。
彼の実家は地方で、近くに山と川がある環境でした。
子供の頃の遊び場はもちろんそこです。

彼が小学5年生の時、4歳年下の弟を連れて、川へ釣りに行った時のことです。
その日は場所が悪いのか、なかなか釣れませんでした。

弟は早々に飽きてしまい、虫を追ったり、石投げをしたりと、少しもじっとしていません。そのころ覚え始めた水切り(投げた石を水面で跳ねさせる)がやりたくて、仕方ないようです。

「石なんか投げたら魚が逃げちゃうだろ、向こうでやれ」
釣れないこともあって、Yは声を荒らげました。

それでも、見える場所にいろと、10メートルくらい川下のところに行くよう命じました。

その後、一時間近く粘りましたが、魚は全く釣れません。

今日はダメだな、とあきらめて、弟と一緒に水切りをやり始めました。

意外に面白く、夢中になっていると、
「兄ちゃん、この石、カエルみたいだよ」
と、弟が持ってきた石を見ると、なるほど、岩や葉っぱの上に乗って鳴いている姿の、誰もが想像するカエルのような形をしています。

「そろそろ帰るか」
太陽がずいぶん傾き始めたので、河原を後にしました。

家へ帰って、夕飯までのあいだ、部屋でYが本を読んでいると、弟がなにやらゴソゴソやっています。そのころ、Yと弟は部屋を共有していました。

見ると、小物を入れてあるカラーボックスの上に、あのカエルに似た石を乗せています。
ご丁寧に、小さなハンドタオルを折りたたんで座布団のようにし、その上に石を置いていました。
「何だよ、これ」

「カエルの神様だよ」

神社で狛犬や狐の石像が祀られているのを真似て、カエルに似た石を神様に見立てているようです。
水や昆虫の玩具を供えて手を合わせているのを、Yは呆れつつ笑って見ていました。

その数日後、突然弟が病床に臥したのです。

40度近い高熱、関節の痛みを訴え、嘔吐や下痢を繰り返しました。
病院に連れて行きましたが、原因ははっきりしません。

そして弟の体に赤い発疹があらわれました。医者は突発性発疹症に似ているが、多くの場合は乳幼児の罹る病気なのだ、と首を傾げるばかりです。

Yはハッとしました、その発疹がカエルのような形をしていたのです。
もしかしたら、あの持って帰った石が原因ではないのか?

Yは部屋に飾ってあった石を裏庭へ持っていき、金槌を叩きつけました。
石が真っ二つに割れると、表面は白くてすべすべしているのに、中は赤黒く、まるで生き物の内臓のようでした。

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