奇々怪々 お知らせ

心霊

ヌバヒョイさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

温泉街で有名な某県の廃墟ホテルへ行った後の話
長編 2023/03/12 11:52 3,721view
0

九州の某県に在住の者です。
学生時代に私と友人Aが経験した心霊体験についてご紹介させていただきます。

私が住んでいた某県〇市は温泉で有名な観光地で、多くのホテルが存在しています。外国人観光客も多く、にぎやかな街ですが、中には倒産してしまって廃墟と化した建物もありました。
今回はそんな廃墟ホテルの話です。

高校生を卒業したころ、車の免許を取った私と友人Aは夜中に集まっては県内の色々なところにドライブに行くことを日課としていました。

と言っても友人Aは車を持っていなかったので車を出すのと運転はもっぱら私。運転するのも嫌いじゃなかったし、今まで行けなかったような遠い所にも行けるようになるのが楽しくて色々なところに出かけていました。

季節的には夏だったと思います。

その日も何気なく集まっては「今日はどこいこっか?」と話していたところ、友人Aが「幽霊ホテルって知ってる?」と言いました。

話は聞いていましたが行ったことはありませんでした。
携帯で調べてみると、

・大きな国道に面したところにある廃墟ホテル。
・ホテルが廃業した理由や時期は不明。
・何度か解体されることになったが事故が起きて中止。
・女性の霊が出るという心霊スポット。
・車で30分程度のところ。

このような情報が掲載されていました。

距離的にも丁度よく「ちょっと覗いてみようか」ということになり、車を走らせて現地へ。もちろん運転をするのは私でした。

到着すると薄暗い建物の前に、荒れたコンクリートと雑草が生えたスペースがあったのでそこに車を止めました。

週末だったせいか車が2台ほど止まっていました。先客がいては雰囲気が出ないなあと思いましたが不思議なことに人のいる気配がしませんでした。もしかすると駐車場として使っていたのかもしれません。

初めてみる廃墟に来たことを後悔しましたが、このまま引き返すわけにもいかないと思い私たちはなかへ入っていきました。

入り口にはスプレーで描いた落書きと、コンビニの袋やペットボトルのゴミが散らかっておりいかにも廃墟といった感じ。窓ガラスが割れているところもあり足を怪我しそうだったので注意して歩きました。たばこの吸い殻がたくさん落ちていました。

何階建てだったか覚えていませんが、階段を登りながら建物内を見て回りました。中には鍵がかかっていて開かないドアもありましたが、開けても部屋の中は空っぽ。ゴミや落書きだらけです。

夜だったことと廃墟の雰囲気でかなり恐怖を感じました。探索中はほとんど会話はなく、私は心の中で「早く帰りたいなあ」とさえ思っていました。

やや駆け足で一通り見て回った後、特にスピリチュアルな体験はなく、帰ることになり、車まで戻ってきました。

「やっと帰れる」と思って内心はホッとしていましたが、友人Aとは「まあ。こんなもんだろうな。」なんて強気の発言をして帰りました。

後で思い出したのですが、車に戻ったとき、車のドアの鍵が空いていたのです。私が「あ、カギ閉め忘れてたっぽい。」と言ったのを覚えています。

帰宅中、「途中でエンジン止まったらどうしよう」とか思っていましたが、何も起こらず。「車に手形とかついてるかもよ?」と友人Aが言うもんだから気になって、帰りにコンビニで車を見てみましたが何もなく、無事に友人Aの自宅に到着し私も自宅に戻り、その日は普通に眠りました。

後日、また友人Aと「暇だしどこか行こう。」という話になり、私は昼間に友人Aを迎えに行きました。私の家から友人Aの家は車で10分程度。Aの家は大通りに面しており、外から見えやすい家でした。

友人Aの家まで到着して、ふと2階を見ると窓越しに人影が見えました。その瞬間友人Aが家から出てきて「おまたせー」と言いました。

私は「あれ?」と違和感を感じました。友人Aの家は両親と友人Aの3人暮らし、その日は昼間だったので両親ともに仕事に行っているはずなのです。私は「今日、親いるの?」と聞くと友人Aは「いや、俺一人だよ。」と答えました。私も、「見間違いかな。」と思ってそれ以上聞くことはしませんでした。

1/2
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。