叫ぶおっさん
投稿者:しゃくれ (3)
短編
2021/03/05
12:15
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俺「ん?」
確かにおっさんは橋の上で雨も降ってないのに
紺色の傘をさし柵にしがみついて何かを叫んで
る。
俺「ほんまじゃ!何か叫んどる!怖っ!」
そして次の日もまた次の日も。
慣れって怖いもんで俺達はそのおっさんに手を
振るのが日課になっていた。
向こうはそんな俺達に気づいてるのか気づいて
ないのかは分からない。
そんなこんなで3週間くらい過ぎたある日、朝起
きると薄暗い中でも空はどんよりしてたのは分
かった。
俺は携帯で降水確率を確認し呟く。
俺「60%か…」
そう、俺達の仕事は塗装業だ。
雨だと仕事にならない。
今日仕事出来るかなぁ…と思いつつも職場に向
かう。
職場に着くとTが早々と仕事の車に乗り込みス
タンバってた。
俺も助手席に乗り込み
俺「今日仕事出来るかなぁ?今にも降りそうじ
ゃん。」
T「大丈夫!俺晴れ男じゃもん。」
そんなポジティブバカなTのヘラヘラ顔に正直
苛っとしながらも車は構わず発進しだした。
現場に行ったはいいが仕事が出来ないとなると
この日の燃料代や高速料金はどうすんの?って
思いながらも運転しながら当たり前の様に鼻く
この話は怖かったですか?
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どういうことだろう
あの日、おっさんは飛び降り自殺したんだと思う
テンポが良い。じわ怖かな。実話系はオチがスッキリしないけど、良い雰囲気。
ありがたき幸せ
細かいことで申し訳ないが、何度も出てくる「ほうばる」が気になってしまって…
正しくは「ほおばる(頬張る)」だよな?
しゃくれです。はい頬張るです。すみません。すぐに直します!