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takeさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ドッペルゲンガーを追う
短編 2023/02/09 12:31 2,408view
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妹が高校生の時の話です。
「昨日どこどこにいたよね?」「一昨日、どこそこを歩いているのを見た」
と、友人たちに頻繁に言われるようになりました。
妹は『見た』と言われる時間には、
自宅にいたり、他の友人と遊んでいたりと、目撃された場所にはいません。

小学生の時も、同じようなことを言われたことがありました。
それはしばらくして収まったのですが、また始まったのか、と溜息をつきました。
何がきっかけで、そうなるのかは妹にもわかりません。
体調なのか精神状態なのか、それとも別の原因があるのか……。

ある日、友人と繁華街へ買い物に行った時のこと。
前から別の友人2人が歩いてきて、

「あれ、妹ちゃん、なんでここにいるの?」と驚いています。
聞いてみると、先ほど妹とすれ違ったというのです。
声をかけても全く無反応だったので、気づかなかったのかな、と思ったと。
「それ、どこで見た?」
「え、向こうのマッ○の前」
妹は聞くや否や駆け出しました。
捕まえてやろうと思ったのです。

通行人の中に『自分』を見つけました。その日の妹と全く同じ服装、髪型でした。
「ねえ、ちょっと!」
声をかけると、ちらりと妹を見ました。その顔は妹と瓜二つだったそうです。
ふいと目を逸らし、その場から立ち去ろうとします。

「待ちなよ! コラ、逃げんな!」
やや乱暴な言葉遣いで、後を追いました。
相手は歩いているのに、走っている妹が何故か追いつけなかったそうです。

そして、見失ったのです。柱の陰に隠れ、そのまま消えてしまったのです。
相手が柱の陰に入ってから目を離しませんでしたし、どこかに隠れることもできない場所だったのに、です。
それから『もうひとりの妹』が目撃されることはなくなりました。

「もうひとりの自分を見たら死ぬ、って言われてるのによくやったな、そんなこと」
その話を聞いた私は、ちょっと呆れて言いました。
ドッペルゲンガー、もうひとりの自分に会ったらその人物は死ぬ、と古今東西より伝えられています。
「そんな事あるわけないじゃん、もっと科学的に考えてよ。くっそー、腹立つ、勝手にあちこち出ないでほしいわ!」
妹は不機嫌そうにいいました。
『霊感体質』の妹が科学的も何もないと思うのですが……彼女は今も元気です。

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コメント(1)
  • 自分に会っても大丈夫だと立証されたってことですね。

    2023/02/10/00:56

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