犬_加筆修正版
投稿者:kana (210)
今日は試験の日。
教授はこの日、寮で飼育してきた犬たちを連れてくるように言いました。
そして私たちに信じられない言葉を投げかけたのです。
「みなさんは獣医師になる覚悟が本当にできていますか?
動物が好きというだけではこの道を進んでいくことはできません。
今日行う試験は、皆さんが連れてきた犬の解剖試験にしたいと思います」
ざわめき出す試験場。大声で叫ぶ生徒、泣き出す女の子もいます。
阿鼻叫喚の中、プツンと、私の中で何かが切れ、目の前が真っ暗になりました。
・・・・・・
・・・どれくらいたったのでしょう・・・私は、頭の芯がジンジンするような、
めまいのような感覚に落ちていました。激しい耳鳴りもします・・・。
気が付くと、私は周りの学生たちに囲まれ、取り押さえられていました。
手は血みどろで、手術用のメスが握られています。
そして目の前には首からおびただしい血を流して床に倒れている教授がいました。
わたしがやったの???
何が起こったのか自分にはわかりません。でも・・・次の瞬間、
私はリッキーの名前を叫んでいました。
だって、先生のすぐ側で、後ろ足に車輪を付けた先代リッキーが
笑顔で私を見てくれているのです。
わたしはもうそれだけで十分幸せです。もう他に何もいりません。
私は友達らの手を振りほどいて、手にしたメスを自分の喉元に突き刺そうとしました。
が、それを2代目リッキーが止めに入ったのです。
私の足にしがみついて、激しく吠えています。
私は再び友達らに押さえつけられました。
あぁ・・・・私はいったい、どこで道を間違えたんでしょう・・・。
子供の頃に戻って、もう一度リッキーと一緒にやり直したい。
今はそう強く念じるばかりです・・・。
獣医目指すのやめようかな…
↑kamaです。
ペット向け獣医師は人手がありあまってるそうですが、牛や豚などの畜産で働く獣医師は人手不足だそうです。むしろ獣医師の一番活躍すべき道はそっちにあります。
あと、獣医師の先生の話として、大学で解剖実習の時に喜んで犬を殺す奴がいて、ぶっ飛ばしてやりたかった、なんて話も聞きました。
↑それはひどいですね