叔父にそっくりな甥っ子
投稿者:ぴ (414)
一時期は幼稚園でほかの子に嚙みついたり、蹴り倒したりして、攻撃的な面が垣間見えていたのですが、小学生になったら急に大人しくなり、私も弟も一安心しました。
今までの様子が嘘のようにいい子になり、優等生になりました。
その頃、弟家族が実家にやってきて、生ビールで乾杯したことがありました。
嫁と両親と甥っ子は買い物に出かけているときで、二人してお酒で酔っぱらっていたのです。
「叔父の生まれ変わりじゃなくて良かった」と安心する弟に付き合って、「本当に良かった~」と一緒に飲んでいたのです。
トイレに行きたくなって、私はリビングの戸を開けました。
そしたら扉の向こうに甥っ子が立っていて、「え!!?」と驚きの声を上げました。
甥っ子はあからさまに自分の父親である弟を睨んでいたのです。
まるで憎しみでも籠っているような凶悪な顔でした。
甥っ子は私を一瞥して、叔父にそっくりの表情で笑いました。
そして何も言わずに玄関から出ていったのです。
しばらく放心してしまうような出来事でした。
あれは酔っぱらっていた私が見た幻想だったのでしょうか。
それ以来、甥っ子が私の前で叔父に似た笑みを見せたことはありません。
今はとてもいい子にしか見えませんが、私はその日から甥っ子に疑惑を持っているのです。
私はやはり甥っ子は叔父の生まれ変わりではないかと今でも疑っています。
昔といえども、叔父そっくりの表情で私と遊んだ記憶の話をしたのです。
甥っ子と遊んだのはあれが初めてです。
叔父ではないのであれば、私が小さい頃に叔父と積み木で遊んだことを知っているわけがないのです。
今は優等生の顔を見せている甥っ子ですが、いつ叔父の側面が出てくるのかと、今も時折不安になります。
甥っ子の弟に対するあの憎しみの目も気にかかるし、いつか叔父に家庭をめちゃくちゃに壊されてしまうのではないかと、誰よりも不安を抱えて生きています。
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