教室に立つおじさんの幽霊の謎
投稿者:ぷーさん (30)
どこか怖さを感じる女友達がいました。
見た目がワイルドで怖いのではなく、こう全体的に暗さがあるというか、陰気くささのある人でした。
見た目もちょっといっちゃってるのに、「あたし、霊感があるんだ」と言うのですから、さらに怖さを感じさせます。
霊感があるというその顔がどこか楽しそうで、話すところも気持ち悪さを感じます。
でも、どこか霊感のある私と気が合うところがあり、2人はいつも一緒でした。
ご飯を食べるときも、家に帰る方向も同じ。
「ね、あの子と付き合うのやめといた方がいいよ」と周囲の人によく言われたことも忘れて、プライベートでもいつも一緒にいることが多かったです。
そんな女友達がある日突然、「この教室に幽霊がいる」と言いだすのです。
「え?幽霊?嘘でしょ」
「ううん、あの後ろのロッカーの所にずっと立ってるんだよね」
私は指差す方を見てみました。
霊感はありましたが、どうもその幽霊は見えません。
「ね、どんな幽霊なの?女の子?それとも男の子?」と聞いてみます。
すると、「おじさんなんだよね」
「おじさん?なんで学校の教室におじさんがいるの?」
「なんか、生徒のお父さんのようなんだよね。誰かを探してる感じがするんだ」
「誰を探しているの?」
そう聞くと、女友達は自分の席の前の前の席を指差すのです。
その席にはいつも顔色が悪い男の子が座っていました。
いつも無口で、下を向いている子でした。
話したことはないけれど、何か悩みを抱えているような感じがする男の子なのです。
あまり友達もいないし、笑ったところも見たことがないという、ちょっと気持ち悪さを感じさせる人でした。
次の日。
どうも気になったので、女友達と一緒にその男の子に話しかけてみることにしました。
昼休み、「ねえ、お父さん、大丈夫?」と。
すると、「どうして?」と驚いたような顔を見せます。
「あのね、この教室にこんな感じのおじさんが立ってるんだよ」と伝えると、「あ、お父さんだ」とますます目を丸くして驚きます。
なんでも、お父さんは事故で他界しているそうです。
でも、どこか見られているような気がすると言っているあたりは、そのお父さんの幽霊が男の子を心配して、ついてまわっているのでしょう。
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