金のなる木
投稿者:YoyoYoyoY (52)
夢の中に現れたのは、「金のなる木」です。
私の背丈ほどのそれに、延々とジョーロで水をやっています。
随分大きくなったなあと、葉を一枚一枚洗い流してやって
ところどころ剪定してやり、植木鉢も一回り大きくしてあげました。
陽光の降り注ぐベランダで、金のなる木は満足そうに
春の風を受けているのでした。
リリリリリリリリン
目覚ましの音で目が覚めた私は渋々と布団を出ました。
リビングに行くと母が朝の支度を始めています。
「朝から変な夢を見たよ」
ぼんやりした頭で夢の内容を思い返していました。
「ふうん、どんな夢?」
母が不思議そうに問いかけます。
「金のなる木に、ひたすら水をやる夢」
母が驚いた顔をしています。
「あんたが起きたら言おうと思ってたんだけど、
ベランダの金のなる木が枯れてきてるよ!」
私はびっくりしてベランダに駆け寄りました。
「本当だ!枯れ始めてる!縁起が悪いなあ」
私の育てていた金のなる木が、ところどころ黄色に変色しています。
取り敢えず、痛んだ部分だけ剪定して様子をみることにしました。
最近、金回りが悪いと思っていたのはこれだったのかもしれません。
金のなる木を植えていると、大金までは行きませんが、小金は入ってくるのです。
「あぶないあぶない」
全部枯れたらすっかり貧乏になるところでした。
それから3か月、金のなる木は元の良い枝ぶりを取り戻し、金運も良くなりました。
「私を枯らすとお金がなくなるよって、訴えて来た夢だったのかな
かわいい奴だな」
それからは、目を離さずに大事に育てました。
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