真夜中の足音
投稿者:いももち (40)
友だちの家に泊まりに行ったときの話です。
大学の近くのアパートでひとり暮らしをしている友人の家に私ともう一人の友人で泊まりに行きました。
お世辞にも新しいとは言えないアパートで「壁が薄いから声と足音の大きさに気をつけてね!」とあらかじめ友人から注意されるほどでした。
そのためお酒もほどほどにし、のんびりおしゃべりをしているうちに夜の十二時を過ぎていました。
その時アパートの外の階段を上る足音が聞こえてきました。友人の部屋が階段のすぐ横の角部屋ということを差し引いてもうるさく、一瞬みんな黙り込んでしまいました。
「この人毎日夜中に帰ってくるくせにうるさいんだよね」と友人が言いました。
確かにちょっと気になるね、と話しているうちに気がつきました。
階段を上る音はしたのに廊下を歩く音も鍵とドアを開ける音もしないのです。鍵もドアも古いため、どんなにそっと閉めても音はするはずなのに。そして階段を降りる音ももちろんしません。
ということはまだ階段の上に、友人の部屋の前にいる?
三人で恐る恐るドアスコープを覗いても誰もいません。思いきってドアチェーンをかけたまま「誰だ!!」と口々に叫びながらドアを開けてもやはり誰もいませんでした。
念のために警察に相談したところ夜間のパトロールをしてくれると約束してくれたそうですが、友人も私もこれで犯人が見つかるとは思えませんでした。
階段を上るものが人間だとは思えなかったからです。
んでその後はどうなりましたか?気になります。
コメントありがとうございます。
警察のパトロールに加えて階段にファブリーズをする、階段側の壁と玄関のドアノブにお守りをぶら下げる、夜中には耳栓をして眠るなど友人の涙ぐましい行動のどれかが功を奏してかだんだんと来る頻度が落ちていき、気づいたときにはなくなっていたそうです。
こちらこそコメントいただきありがとうございます。友人の涙ぐましい行動には大変頭が下がります。