洋楽に誘われて
投稿者:YoyoYoyoY (52)
熱を出して寝込んでいたときのことです。和室で横になっていると、父が洋楽をかけ始めました。
休日のいつもの日常です。緩やかなリズムで紡ぎだす音色が心地よく、熱はあるものの、穏やかな気持ちで聴きいっていました。
まだ昼間だったこともあり、障子が閉められた窓からはうっすらと光が差し込んでいました。
下の公園では、少年野球の掛け声が聞こえています。早く熱が下がらないものかと、ぼんやり考えながらそのまま深い眠りに落ちそうになりました。
その瞬間、金縛りに遭いました。布団にピッタリと張り付いたように、手も足も動きません。意識はあったものの、目を動かすのが精一杯です。隣の部屋では、まだ洋楽が流れています。
父が日曜大工をしている姿も見えています。
「おおおお・・ああ」
父を呼ぼうとしましたが、声も出ませんでした。
そのまま、どれくらいの時間が経ったか分かりませんが、白いTシャツを着た、外国人が目の前に立っていました。自分もまっすぐ見つめ返しましたが、不思議と怖くはありませんでした。
男の人のようで、スラっとした長身に髪は長く金髪のようでした。
「何をしてるんですか?」私は心の中で聞きました。男の人は、何も言わず音楽に耳を傾けるとすうっと消えて行きました。
金縛りは解けましたが、まだジリジリとした感覚が残っていました。
父のかけた洋楽につられて寄り道をしたのでしょうか。不思議な体験でした。
その洋楽に思い出があった霊だったのかもしれないですね。
外国人の霊に日本語で言っても通じないですね。