本当のお化け屋敷

埼玉県の田舎に誰もが認めるお化け屋敷があります。昔から噂は絶えず、時代は定かではないが罪人の斬首刑の場所だったらしいです。
罪人たちの死体は雑な扱いを受け、そこに掘られた穴に、首と胴体とがバラバラに放り投げられ、捨てられていたようでした。
私も小さい頃は近くを通ってはいけないと言われていました。そんないわくつきの場所です。地元はみんな知らない人はいないほどです。

その場所は、以前は平屋の一軒家とテニスコートがありました。お化け屋敷の噂を聞いた大学生が肝試しを兼ねてサークルの合宿などで利用しても、1晩もったことがないそうでした。ポルターガイスト現象が起こる為、泊まることなく逃げ出していたそうです。

また、知り合いの高校生は夜遅くなって帰り道を急ぐあまりに、件の場所だと分かってはいたものの近いからと自転車で横を通り過ぎようとした時、大変な目にあいました。
その家の横を通る時ドスン！と後部の荷台に衝撃があり、その瞬間、誰かに肩を掴まれ、耳のそばで野太いかすれた声で
「誰にも言うなよ！」と何度も言われたそうです。
無我夢中で自転車を漕ぎ続けて家に着き、這うように玄関に転がり込んだ時、母親に制服の肩が泥だらけだけど何をしたのか？と尋ねられたのですが、冷や汗と震えが止まらず、何も言えなかったそうです。暫くは誰にも話さず、その母親もだいぶ経ってから、そのことを聞いたそうでした。

現在、その付近には住宅が立ち並んでいますが、お化け屋敷は持ち主すら分からず、清掃業者も立ち入りを拒むほどで草木が生い茂り中の様子も分からないほどになっています。

私の子供も甥も小さい頃その道の横を車で走ったり、信号で止まったりすると怖いと突然泣き出したりしました。
噂で聞いた話だとネットに破格の値段で出ていたとか、不動産会社すらも内見出来ないらしいとか……今も、斬首された罪人達が、バラバラになった体を探すために居続けているのだと思います。