不思議な手紙
投稿者:ぴ (414)
だけど、その時の私はどうしてか何の疑問も浮かばず、手紙が無くなったことに一安心しただけでした。
それからしばらくしたら、また自宅の郵便受けにまた不思議な手紙が届いておりました。
そのときも手紙の送り主は不明で、中身には「了承しました」とだけ書いてありました。
そのときに私はすごく安心して体の力が抜けました。
了承されたことで、ストーカーから解放されると思ったのです。
何を了承したのか今考えたらはっきりとは分からないのですが、とにかく現状から救われると思い、心から喜びました。
それから二日後くらいに、またあのストーカーが朝から家の前でウロウロしているのを目撃したのです。
それを見て、一瞬で体が強張りました。
部屋のカーテン越しに外を覗いていたら、ストーカーが不審な動きを始めたのです。
なぜか頭を搔きむしったかと思うと、何かに驚いたそぶりを見せてから逃れるように走り出したのです。
私は二階の部屋からその様子を見ていました。
どう考えてもおかしな行動で、最初は何をしているのかと思いました。
そしたら今度は急に尻もちをついて、足を押さえていたのです。
ストーカーはまるで何かに引きずられるようにして、数メートルずりずりと地べたを移動しました。
何が起こっているのかよく分からなくて、私は目をぱちくりしました。
ストーカーの近くに何かいるのかと確認しようとしたけど、私が見た限りは何も見えなかったです。
なのに本人はとても慌てて驚いていて、まるで目の前にいる何かに襲われているように見えました。
一部始終を見ていた私ですが、急にストーカーが悲鳴を上げて、その声にびくっとしました。
その後、何かから逃げるようにして、ストーカーはどこかに走り去ってしまいました。
原因は分かりませんが、ストーカーが家の前からいなくなって、安心できました。
安心できたけど、何か異様なものを見てしまった気持ちになり、心臓はドキドキ落ち着かなかったです。
まるで何か見えないものがストーカーに襲いかかっているように見えて、私はなんとなく恐怖を感じました。
見てはいけないものを見てしまったような、そんな恐怖を抱きました。
それから何日も経ったけど、あのストーカーは家の前にぱったり現れなくなりました。
あれだけ頻繁に家の近くで見かけたのに、近くをうろつくことがなくなりました。
それどころかあれだけしつこく付きまとってきたバイト先でも見かけなくなったのです。
あまりに突然来なくなったので、心配してくれていたバイト先の人たちも不審がっていました。
こうして私は警察にストーカー被害を訴える前に問題を解決できたのです。
ストーカーから解放されて、私は安堵しました。
それと同時に小さな罪悪感も感じたのです。
『ご利用ありがとうございます』の文言が、何かを代償に支払われたのでは?と不安になりました。でもご無事で何よりです。
そういう時は躊躇わず一度は警察に相談しましょうね。
ご利用ありがとうございます