奇々怪々 お知らせ

ヒトコワ

GANTさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

家にいる他人
短編 2022/11/27 10:01 2,575view
1

私が小学校に入学してすぐのことでした。暑い地域の田舎なので、基本的に網戸で、鍵は開けっ放しの平屋に住んでいました。

当時は親戚や近所の子供同士で、互いの家を行ったり来たり、勝手に家に上がっていることなんて当たり前の地域でした。

小学校に入ってから、すぐに「友達が家に来てるよ?」と祖母に言われて、近所の子なら名前を知っているはずなので不思議に思っていると、知らない子供2人が楽しそうに、縁側で談笑しているのです。

祖母に「私の知らない子なんだけど」と報告すると、「そんなわけないでしょ?アンタの名前知ってたわよ」と相手にして貰えません。

私は人見知りだったので、その子たちと喋ることを躊躇していると、その子たちは私を見て嫌な顔をしていました。

子供ながらに、私は『私のおばあちゃんの家なのに、なんなんだろ』と真剣に嫌な気持ちになって、追い払おうとすると「ここ私の家だから」と得意気に1人の子が嘘を吐いてきたのです。祖母がその子を知っているはずもなく、私は言い返そうとしたのですが、「勝手に人に家に上がってるのって泥棒だよね?」と笑われて唖然としていました。

その日は、嫌なことがあったと母に相談したのですが、「どうせ近所の子でしょ?」と相手にして貰えませんでした。

祖母は「今度きたら、アンタはいないって追い払うから」と約束してくれました。

それから数週間後に、祖母がその子たちをまた家に招いていました。祖母は「実は親戚の子なのよ」と言い出して私は納得できませんでした。

私は頭に来て祖母に当り散らすと、祖母にほっぺたを平手打ちされて、茫然としてしまいました。

それから家に帰宅し、泣きわめいて祖母とは1ヶ月程口を利かなくなりました。

そのしばらく後、父と母が出掛けるので、祖母の家にいかないといけなくなり、イヤイヤ遊びに行くと、祖母に「親戚の子まだきてる?」と聞くと「親戚って従兄弟の○○?」と聞かれて「女の子」と言うと「アンタに女の子の従姉妹やハトコはいない」と断言されました。

それからあの子たちが来ることはなくなったのですが、祖母がなんで意見を変えたのか謎です。

今思い出しても不愉快になるのですが、優しい祖母が私ではなく、謎の女の子2人の味方をしたことが未だにトラウマになっています。

1/1
コメント(1)
  • 不思議な体験だ

    2022/11/27/21:20

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。