人の体の部分で、どこが一番怖いですか?(加筆修正版)
投稿者:kana (210)
急ブレーキで止まった電車、けたたましく鳴る警笛。
ホームでは線路側に立っていた多くの人が血しぶきを浴びており、
泣き叫ぶ女性や気絶する人、阿鼻叫喚の地獄絵図の様相となっていた。
電車のドアは開かず、中の乗客たちがなにごとかと窓に顔を寄せいた。
すべての窓ガラスにも血しぶきが飛び散っているので、
中の乗客にも何があったのかわかったのだろう。
全員顔面蒼白である。
車両最後部ではちょっとした人だかりができていた。
ちょうどそこにいたAはまたしても見てはいけないものを見てしまった。
電車とホームの間の隙間に、人間の頭が挟まっているのだ。
まるで風呂上がりのように濡れた髪が振り乱されている。
もちろんシャワーでそうなったのではない。
自分の血によって赤黒く濡れているのだ。
そして信じられないことだが、どう見ても即死のその死体に向けて
数人がスマホを向けて写真を撮っていた。
最後尾にいた車掌が窓から青黒い顔を出して下を眺める。
ドアを開けられない。そこに死体の頭があるからだ。
「下がってください!下がって!下がれ!何をしている!」
車掌の怒鳴り声が響くとともに、駅員たちがぞろぞろと走り寄ってきて、
邪魔な野次馬たちを排除しはじめた。
強制的に死体から遠ざけられたものの、
駅のホームではまだ地獄絵図が続いていた。
駅員の数が圧倒的に足りない。
レスキューもまだこない。
ショックで倒れた人をベンチに寝かせるなどの応急処置を
客同士がやっていた。
やがてレスキュー隊も到着し、線路下に降りる隊員や
具合の悪くなった人を担架で運ぶなど救助作業も始まった。
事故現場にはブルーシートがやっとかけられ、
ホームからは全員出るように言われたのだが、
別のホームからはその様子が丸見えであった。
Aは別のホームからしばらく野次馬を決め込んで様子をうかがっていた。
遺体の写真を撮ること事体おかしい。
ソウルのハロウィン事故でも、救命措置を受ける人の横でまだ踊り狂ってた人もいたというし、人間はわかりません。
遺体の写真と言えば、仲本工事さんの件でも
すったもんだあるみたいですねぇ。
トラウマに、なりそうです。