現在も売り出されているあの部屋..
投稿者:ウズベキprize (2)
もしかして、あの部屋..
何かあるんじゃ!でも、何度彼に尋ねても、返事は「何でもない」の一点張り。
本人がそう言う以上、私にはそれ以上出来ることはなかったんです。
それからまた1週間が経ち、
とうとう加藤さんは会社を無駄欠勤。
しかも、連絡さえつかない!
彼は今まで欠勤なんかしたこともないし、遅刻さえなかった。そんな佐藤さんが何故?どうして連絡もつかないのか?
「これはただ事ではない」と思った私は仕事が終わり次第、急ぎ足で彼の自宅に向かったんです。
その途中で急に靴紐が切れたり、
なんだか良からぬ予感もして、とても嫌な予感がしたので、さらに足速で彼の自宅に向かいました。
ようやく、加藤さんの自宅マンションの前に到着しても、彼のマンションには入れない。先ずは入り口のロックを解除してもらわないといけないから…。
携帯に連絡しても全く繋がらない!
「どうしよう?」と焦った私..
すると、管理人さんらしい人が、管理室でなにやら業務を行なっている。私は直ぐに管理人さんに事情を説明し、ロックを解除してもらいました。
加藤さんの部屋は7階です。
エレベーターを利用し直行しました。
彼の部屋に到着し、ドアノブを回してみると、鍵がかかっていません。
私は「加藤さん!加藤さん!」と連呼しながら部屋の中に入ると、電気は全て消えていて真っ暗。しかも、背筋にゾクっと、とても嫌な感覚を覚えたんです。
素人ながらに、「この部屋はヤバイ」と直感で思いましたね!その時はさすがに..
真っ暗な部屋を手探りで動く私..
すると目の前に加藤さんがしゃがみ込んでいるんです。その様子からは全く精気を感じません。物凄く震えているんです。こちらが何度言葉を投げかけても返答なし。
私は彼の肩を掴み、「どうしたんだよ?」と強い口調で尋ねると、「いるんだよ!髪の長くて白い服を着た女性が!そこに!」って言うんです。
「今もそこにいるだろう!君も見えるよね?」って私に声を震わせながら言うんです。でも、嫌な気配は感じるものの、私にはその女性の姿は全く見えません。
背筋が凍るようなゾっとする感覚しか..
誰かに睨みつけられているような気配しか..
「とりあえず落ち着こう!」と必死に彼を宥めた甲斐もあり、加藤さんはようやく正気を取り戻し、この部屋に引越ししてから起こった出来事をあわあわと話し始めた。
加藤さんが言うには、この部屋に入って直ぐに、ギィ〜..ミシミシ..カタンコトンと異音を感じたそうです。しかし、それは単なる気のせいかと思い、普通にやり過ごしたのこと。それが日を増す毎に音がハッキリとし、水道の蛇口から水がポタポタと流れだしたり、電気が突然消えてしまったり、違和感が増していったそうです。
そんなある日、寝ていると突然金縛りに遭遇し、息苦しくなって目を覚ますと、自分の身体の上に髪の長くて白い服を着た女性が跨り、「ふふふ..ふふふ..」と気味の悪い声で笑いかけていたらしく、それ以来、毎晩のように彼の前に姿を現すようになったそうです。
それからというもの、加藤さんは恐怖のあまり寝付けず、何も手がつかなくなってしまったようで、なるほど、精気が全くなくなった廃人のようになってしまったのはこうゆう事だったのか!と私の嫌な予感が的中してしまったのです。
これ以上、この部屋で生活するのは危険だと思い、加藤さんに「直ぐにこの部屋を出ろ!」と言っても、彼は「買ったばかりだしローンも丸々残っていて正直、今はどうしていいか分からない?」と非常に困惑していました。
1日でも早く加藤さんが回復することを願います。残ったローンは無事に返済しただろうか?
哀悼の誠を表します。
出たくても出れない現実的な悩み…