午前0時のトイレ
投稿者:ウズベキprize (2)
都内某所にある公園に設置されたトイレに、午前0時に入ると、「老人にあの世に連れていかれる」という噂がある。
そこは死刑執行が行われる拘置所の直ぐ隣の公園に設置された公衆トイレです。
その公園は日中はお散歩やジョギング、生い茂る草木を眺めながら休憩する人が多く、非常に穏やかなスポットです。でも、夜になるとその装いを一変させます。
地元では、夜中になると、人が啜り泣く声や、悲鳴のようなキミの悪い声が頻繁に聞かれるとの噂が広がっている。実際にその公園を警備する方達の中では有名な話で、みなさん夜間の公園の巡回ば嫌がるそうです。
あれは今から三年前の話です。その日は12月中旬。辺りはすっかり冬っぽくなってきた季節でした。
その日は職場の忘年会です。
まさか、あんなに恐ろしい体験を自分がするなんてその時までは思ってもいませんでした。あの噂さえ、忘れていました。
それまでは..
その日は仕事納めの日で、1年の労いに、
ちょっとはしゃぎ過ぎましたかね、気がつくと、もう午後11時です。終電の心配もあり、「おつかれ〜」と急いで帰路に向かいました。
終電にはギリギリセーフで間に合いましたが、電車に乗り遅れまいとトイレを我慢したせいか、自宅の最寄駅に着くと無性に用を足したくなり、駅のトイレに入ろうとするも、運悪く使用不可の看板が..
「あちゃ〜」と思い、我慢して猛ダッシュで家に向かうも、我慢し切れず、通りがかったあの公園のトイレに入って用をたしたんです。
その時の時刻はちょうど午前0時!
その時はほろ酔い気分だったせいもあり、あの忌々しい噂なんて正直忘れていましたし、考えるすべもなかったんです。
まさか、あんなことが起こるなんて!
その時は知るよしもありませんでした。
頭の片隅にもありませんでした。
用をたし、「あ〜スッキリした〜」とズボンのチャックをしめると、背後からただならぬ冷気というか、殺気を感じるんです。
背筋が凍り身の毛がよだつような、
ゾクゾクっとする感じが…
「ん、なんだ?この嫌な感じは?」
すると、今まで煌々と光っていた照明の光がチカチカと消えたり、ついたりの繰り返しを始め、とっても嫌〜な感じです。
その時です。突然頭をよぎったんです。
あの地元で有名な午前0時の噂を..
「怖ぇ〜」なんて、その時は年甲斐もなく思い、苦笑いする私..「まさかな〜」と軽くため息をついた次の瞬間、嫌な予感が現実に変わりました。
パチっと急に電気が消えてトイレは真っ暗闇に..その直後、「お前もこっちに来〜い」と背後から掠れた声が…
何故か、トイレに設置されていた時計だけが、暗闇にも関わらずに確認することができたんです。
只今の時刻はちょうど午前0時!
ま、まさか!と思いましたが怖くて後を確認できません。あまりの恐怖心に目を開くことさえ、ままなりませんでした。
身体は恐怖で硬直し、身動きが取れない。
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