奇々怪々 お知らせ

心霊

ウズベキprizeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

現在も売り出されているあの部屋..
長編 2022/11/05 11:53 4,013view
3

2018年、これは知人を襲った出来事です。

職場の同僚である加藤(仮名)さん。
彼は31歳、独身です。

その年、彼は念願だったマイホーム(中古マンション)を購入しました。

加藤さんと私は同期入社。
彼とはプライベートの付き合いはないものの、入社以来、切磋琢磨して励まし合い、苦楽を共にした間柄です。

「加藤さん、凄いじゃないですか!」
「都内だし、結構な金額だったんじゃないの?」と尋ねると、

「いや〜それがさぁ〜!たまたま通りかかった不動産屋に入ったら、希望通りの物件がとってもお値打ち価格で販売されていて、ホント、ラッキーだったよ!」と、彼が購入した中古マンションは近隣の相場より、かなり安い金額で売りに出されていたそうです。

「ぶっちゃけ、いくらだったの?」との私の問いに、

「築5年で1700万円だよ!都内であり得ないでしょう!即決でローン組んで買っちゃったんだ!」

「へぇ〜、良かったじゃん!」とは言ったものの、その時私の頭をよぎったのは「もしかして、それってテレビとかでよく放送されている事故物件じゃない?」でした。

しかし、満面の笑みを浮かべて喜ぶ彼の姿をみて、水を差すようなことは言えるハズもなく…私はその場をうまく取り繕って、「良かったね!」と平然と祝福しました。

でも、胸に突っかかる、なんだか嫌な感じ..
妙な違和感..何かとても不吉な予感がしたんです。私の考え過ぎだとイイのですが..

その後、しばらくして加藤さんは無事に新居に引越しを完了させ、それからはというもの、彼はやりがいを見つけたように、イキイキと..仕事に精を出していました。

あ〜良かった!私の考え過ぎか!..
と、その時は思ったのですが..

それから1か月後、
なにやら、彼の様子が違うんです。

いつも下向きでぼぉ〜としている。

「何かあった?顔色も良くないし!体調でも悪いの?」と尋ねても、

「ん!何でもないよ!大丈夫、今日はたまたま調子が悪いんだ!」と弱々しい声で答えるだけ..

すると次の日も..次の日も..
だんだん弱っていく彼!
徐々に小さくなっていく加藤さん..

普段なら絶対しないだろう!というケアレスミスを続け、こちらが話かけても上の空!顔色もすこぶる悪く、きっと寝ていないのでしょう?
目の下にクッキリとクマがあり、まるで正気のない廃人のようだった。

心配になった私..
「まさか、あの部屋に何か問題があるのか?」と、あの時感じた嫌な予感がふと、頭をよぎりました。

1/3
コメント(3)
  • 1日でも早く加藤さんが回復することを願います。残ったローンは無事に返済しただろうか?

    2022/11/05/14:46
  • 哀悼の誠を表します。

    2022/11/05/22:01
  • 出たくても出れない現実的な悩み…

    2022/11/20/18:13

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。