現在も売り出されているあの部屋..
投稿者:ウズベキprize (2)
2018年、これは知人を襲った出来事です。
職場の同僚である加藤(仮名)さん。
彼は31歳、独身です。
その年、彼は念願だったマイホーム(中古マンション)を購入しました。
加藤さんと私は同期入社。
彼とはプライベートの付き合いはないものの、入社以来、切磋琢磨して励まし合い、苦楽を共にした間柄です。
「加藤さん、凄いじゃないですか!」
「都内だし、結構な金額だったんじゃないの?」と尋ねると、
「いや〜それがさぁ〜!たまたま通りかかった不動産屋に入ったら、希望通りの物件がとってもお値打ち価格で販売されていて、ホント、ラッキーだったよ!」と、彼が購入した中古マンションは近隣の相場より、かなり安い金額で売りに出されていたそうです。
「ぶっちゃけ、いくらだったの?」との私の問いに、
「築5年で1700万円だよ!都内であり得ないでしょう!即決でローン組んで買っちゃったんだ!」
「へぇ〜、良かったじゃん!」とは言ったものの、その時私の頭をよぎったのは「もしかして、それってテレビとかでよく放送されている事故物件じゃない?」でした。
しかし、満面の笑みを浮かべて喜ぶ彼の姿をみて、水を差すようなことは言えるハズもなく…私はその場をうまく取り繕って、「良かったね!」と平然と祝福しました。
でも、胸に突っかかる、なんだか嫌な感じ..
妙な違和感..何かとても不吉な予感がしたんです。私の考え過ぎだとイイのですが..
その後、しばらくして加藤さんは無事に新居に引越しを完了させ、それからはというもの、彼はやりがいを見つけたように、イキイキと..仕事に精を出していました。
あ〜良かった!私の考え過ぎか!..
と、その時は思ったのですが..
それから1か月後、
なにやら、彼の様子が違うんです。
いつも下向きでぼぉ〜としている。
「何かあった?顔色も良くないし!体調でも悪いの?」と尋ねても、
「ん!何でもないよ!大丈夫、今日はたまたま調子が悪いんだ!」と弱々しい声で答えるだけ..
すると次の日も..次の日も..
だんだん弱っていく彼!
徐々に小さくなっていく加藤さん..
普段なら絶対しないだろう!というケアレスミスを続け、こちらが話かけても上の空!顔色もすこぶる悪く、きっと寝ていないのでしょう?
目の下にクッキリとクマがあり、まるで正気のない廃人のようだった。
心配になった私..
「まさか、あの部屋に何か問題があるのか?」と、あの時感じた嫌な予感がふと、頭をよぎりました。
1日でも早く加藤さんが回復することを願います。残ったローンは無事に返済しただろうか?
哀悼の誠を表します。
出たくても出れない現実的な悩み…