理科室の焼け子さん
投稿者:ぴ (414)
さっきまであんなにガヤガヤしていたのに、理科室の中は静かで誰もいなかったのです。
それだけでぞっと来るものがあると思いませんか?私は一気に鳥肌が立つのを感じ、ざわざわと嫌な予感がしました。
理科室に入ってしまい、思わず立ちすくんでいたら、ポンと背中を叩かれたのです。
私がドキッとして後ろを振り向いたら、おさげ髪の女の子が私のすぐ後ろに立っていたのです。
私は一気に顔も体も強張りました。
理科室の焼け子さんは死んだ理由はたくさん説があるのに、容姿の特徴は統一されています。
その特徴というのがおさげ髪の背の低い女の子というものでした。
まさにその焼け子さんと同じ特徴を持つ生徒が背後に立っていました。
私は思わず「ギャー」とすごく大きな声で叫んで崩れ落ちてしまいました。
怖さで腰が抜けている間に、その子は走って逃げていきました。
廊下で聞こえたキャッキャという楽しそうな笑い声が耳に残りました。
私は心臓がどくどく鳴りながら、なんとか理科室からはい出ました。
だけどもう遅いです。
だって私はあの子を、理科室の焼け子さんらしき女の子を見てしまったからです。
その後しばらく腰が抜けて歩けなかったです。
理科室の近くの廊下で私が腰を抜かしていたら、近くを通りかかった別のクラスの新任の先生が私を助け起こしてくれました。
私はとにかくさっき焼け子さんを見たという話をその先生にしました。
もう泣きながら話していて、先生は私の動揺っぷりにおどおどしていました。
新任だったので、多分怪談話のことも知らなかったのでしょうね。
とにかく私を宥めて、保健室に連れて行ってくれました。
保健室の先生は「まだ具合が悪かったかな、ごめんね。
きっと寝ぼけてたのよ」と、泣きじゃくる私を宥めてくれました。
その日から、私は具合が悪いことを言い訳に学校を休みました。
学校で倒れたこともあり、熱もなかったけど5日は母も文句を我慢して休ませてくれました。
けれどさすがに6日目には怒られて、7日目の朝には家を追い出されます。
渋々学校には行きましたが、毎時間、恐怖で胃に穴が開くかと思いました。
もし、あのおさげ髪の子が私を迎えに来たらどうしようと考えたし、焼却炉に連れていかれて燃え上がる火の中突き飛ばされる自分を何度も想像して、身が竦みました。
3時間目の休み時間に、トイレでおさげ髪の子を見かけて、思わず逃げ出しました。
ただよく確認したら、隣のクラスの生徒で胸を撫で下ろしました。
なんとか昼休みまで何事もなく過ごせて、このまま無事に帰れるかもしれないと少し希望を持ちました。
今でもその焼き子さんとやら出てきているのだろうか…
怖いですね