理科室の焼け子さん
投稿者:ぴ (414)
なのに、私は気づいたら焼却炉の前にいたのです。
確か授業中に疲れて眠ってしまったような気がします。
そして目が覚めたらそこにいました。
目の前にはごうごうと火が燃え上がる焼却炉で、私は全身が一気に鳥肌立ち、冷や汗が止まらなかったです。
急に後ろからズンと押されたのです。
心臓が飛び跳ねるくらい驚いたけど、よろめいたもののなんとか焼却炉の前で踏ん張りました。
すごーく嫌な予感がしました。
おそるおそる私が後ろを振り返ると、思った通りの人がいて、冷や汗がだらだら落ちます。
私の背後にぴったりとくっつくように、女の子がいたのです。
あのおさげ髪姿で、笑っているのです。
あまりに怖くて、ひゅっと息を震わすだけで叫び声すら出ませんでした。
私が逃げようとしたら、焼け子さんらしき背後の子は、突然私の背中に負ぶさってきたのです。
石のように重くて、私は逃げるどころかその場から動くことすらできなくなりました。
じりじりと負ぶさったまま前に前に押し出されます。
すぐ前は焼却炉で、火の勢いがとんでもなく強く、熱さに眩暈がしました。
背中におぶさる子が、「フフ…」て笑ったのです。
そして小さいかすかに聞こえるような声で、「友達でしょ?」と言われました。
私はそれを聞いて必死になって、「友達じゃない」と言いました。
咄嗟に怖くて3回くらい言ったと思います。
そしたら焼け子さんが急に怒り出して、後ろから首を絞めてきたのです。
その剣幕が恐ろしかったです。
しかし、焼け子さんが何を言っても、私は友達じゃないと言ったことを打ち消しませんでした。
そして長いこと焼却炉の前で攻防を続けていたと思ったら、目が覚めたら最後の授業が終わっていました。
私は何とか帰り支度をして、校門を出たのです。
校門を出るときに振り返ったら、窓の向こうにおさげ髪の子が見えた気がします。
でも私は見なかったことにして、そのまま急いで家に帰りました。
このようなことがあり、私の学校では理科室の焼け子さんを目撃してしまったときの逃げる方法が噂として流れました。
それは「友達か?」と聞かれて、「友達じゃない」と3回唱えることなのです。
私は実際に体験してみて、学校の怪談ってこのようにしていろんな噂が流れていくんだろうなと知りました。
私に起こったことは今も現実なのかそれともすべて夢なのか、夢と現実の境界線が曖昧で分からないです。
今でもその焼き子さんとやら出てきているのだろうか…
怖いですね