どんどこさん
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2022/10/19
12:05
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だが体は微動だにしない。
「パパ―、、、パパー、、、」
遠ざかっていく翔大の声に重なるように太鼓の音が鳴り響く。
─トントン、、トントン、、トントン、、
やがて翔大の叫び声は消え失せると、あの忌まわしい太鼓の音にすり代わり、私の意識は徐々に遠のいていった。
そしてこれが、
私が1人息子の翔大を見た最後だった。
その日から地元の警察、消防団は総動員して捜索にあたってくれた
もちろん私たち夫婦も、、、
だが何の手掛かりも出て来ず、いたずらに日が過ぎていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
追記、、、
あれから半年経つが翔大は未だに見つかっていない。
妻の美沙代は鬱を発症し家から一歩も出なくなっている。
私の脳裏からはあの時の黒い修道着の女の姿が焼き付いて消えない
そしてあの忌まわしい太鼓の音も
【了】
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翔大…
なんとも言えない無力感。。
実際直面すると物語みたく思うようにはいかないものだろうけど。