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呪い・祟り

足が太いさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

どこまでも追いかけてくる目
長編 2022/10/14 23:48 5,318view
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ある会社に勤めていたときのこと。
1人の同僚から、旅行のお土産と言って、奇妙な人形を貰いました。
その人形は、親指くらいの大きさで、ぎょろりとした目をしています。
一目見たときから「何だか怖い」「気味が悪い」という気持ちになりましたが、要らないとは言えず、受け取ってしまいました。
家に持って帰って改めて人形を見てみると、目がとにかく気持ち悪くて、その人形からの視線から逃れるように引き出しの奥にしまい込んだのです。

人形のことをすっかり忘れた頃、部屋を片付けしていたときに、あの人形を見つけてしまいました。
以前よりも何だか目のぎらつきが鋭くなっているように感じたのです。
とにかく気味が悪くて捨てようと思ったのですが、捨てたら戻って来る気がして捨てられませんでした。

それから数日後、嫌な夢を見るようになりました。
あの人形が追いかけてくる夢です。

どこまで逃げてもずっと追いかけてきて、追いつかれそうになったときに目覚めるという感じ。
怖くて怖くて、1ヶ月もずっと同じ夢を見続けた私は、すっかり気が塞いでしまったのです。

そんな日々を過ごしていたある日、何となく気になってもう一度引き出しを開け、人形の様子を確認しました。
すると、明らかに前に見たときよりも目が大きくなっていて、私と目が合った気がしたのです。
声にならない叫び声を上げ、私は勢いよく引き出しを閉めました。
そして、その引き出しが付いた机ごと粗大ごみとして捨ててしまったのです。

これで人形の夢を見なくなるはずだと思っていました。
しかし、人形ごと机を捨ててから、嫌な視線を感じるようになったのです。
外を歩いているとき、仕事をしているとき、お風呂やトイレに入っているときなど、常に見られているような気がしました。
後ろを振り返っても、あたりを見渡しても、私を見ているような存在はありません。

だけど、明らかに見られている気がしていたのです。

視線を感じるのは、どうやら私だけではないようでした。
私と一緒にいる人も、「どこからともなく見られている」と、感じるようなのです。
私と一緒にいるときにしか、そんなことは起こらないようで、ますます気味が悪くなりました。

見られていると感じるようになってから数週間経った頃、ふと視線を感じた方を見たら、ぎょろっとした目がこっちをじぃっと見ていたのです。
びっくりして叫び声を上げると、目は一度瞬きをしたあと、すーっと消えてしまいました。
その後も、視線を感じた方を見ると、あの目がこっちを見ていて、私と目が合ったのに気づくと消えるということが度々ありました。
とにかく怖くて、どこまでも追いかけてくる目に怯えながら過ごす日々でした。
あの夢も相変わらず見続けていて、とうとう限界が来た私は、ある霊能者に相談したのです。

霊能者のことはネットで知りました。
予約をした日時に、その霊能者のところへ行くと、私を一目見てすぐ「あなた、やばいものに取り憑かれてるね」と言ったのです。

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コメント(2)
  • 怖い。
    お祓いして貰ってよかたったです。

    2022/10/15/14:00
  • 同僚の方は貴方のなにに、執着していたのでしょう?

    2023/09/05/18:42

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