合計で3頭。
彼らは俺たちの目前まで来ると、床を這う無数のミミズのような生き物に顔を近づけて無心に貪り喰い出した。
その様子を唖然としながら見ていると、ふとその中の1頭が顔をもたげる。
それを見た俺の背中は一瞬で凍りつき、一気に心臓が激しく脈打ちだした。
「嘘だろ?、、、
未稀、、、未稀なのか?」
震える声で尋ねると、そいつはしばらく悲しげな目でじっと俺の顔を見ていたが、やがてまた何かを思い出したかのように目の前のごちそうを無心に食べ始めた。
その後ケージの前にひざまずき狂ったように泣き叫んでいた俺は、ピエロと男から無理やり外に連れ出され、後は男の肩を借りて歩き、ふらつきながらタクシーに乗った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
秋を知らせる冷たい風が、俺の顔に吹き付けている。
見上げると、朱色に閉まった千切れ雲がどこまでも続いていた。
その下はまるでパノラマのような街の景色が拡がり、彼方には灰色の山の端が連なっている。
俯くと、足先の遥か下に白い線で区画された灰色の駐車場が見え隠れしていた。
「これで、
これでやっと悪夢から解放される」
俺は大きく1つ息をつくと、奈落に向かって一歩前に歩を進めた。
【了】
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YouTubeで似たような話を見たことがありますが、こういう話って海外だと多くありそうですよね。
それが本当なら警察に。
本当の話なら警察に行って取り返さないのか?
Holy shit!