夢のお告げ
投稿者:eiji (1)
これは私が大学一年生の時に実際に体験した話です。
当時私は田舎から神奈川県にある大学のキャンパスに上京してきたばかり、神奈川県の土地勘はまだありませんでした。大学に進学してすぐに友人にも恵まれて、初めての一人暮らしでしたけど大きく困ることはありませんでした。アパートも完成して一年目ということで綺麗でしたし、大学から歩いて5分という好立地でしたので、遠方から通っている友人も終電を逃した時にはたまに泊まりに来ることがありました。
そんなある時、7月ということでジメジメして寝苦しかった夜のことです。実習に疲れて眠っていた時に突然玄関からガチャガチャと音が鳴り響きました。自分も寝ぼけていたので誰か友人が終電を逃したのかと一瞬思いました。ただ、この時はあまりに疲れていて動きたくなかったので気づかなかったといってこのまま寝ようとしていました。すると、廊下をドカドカ歩く音が聞こえました。自分は鍵をかけ忘れて、友人が勝手に入ってきたもんだと思い、抗議の意味を込めて脅ろかしてやろうと思っていました。そして、自分が寝ているリビングの扉が開き、足音の主が自分の真横に来たことを音で感じました。そして、服が擦れる音から座ろうとしていると察したため、自分は勢い良く身を起こして「勝手に入ってきてんじゃないよ」と大声で叫んだが、周囲には自分以外誰もいませんでした。
一瞬何が起きたのかわからず、足音の主は瞬時にどこかに隠れたのかと思い、クローゼットや別の部屋を探してみたが、人の気配はありませんでした。そして、玄関先に行き不可解な点に気づきました。鍵が閉まっていたのです。その日はジメジメした暑さということでエアコンをかけていたのでリビングの窓も鍵をかけていました。寝ぼけていたとはいえ自分の真横には確かに人の気配を感じていたので、私は不思議な気持ちから恐怖心を持つようになりました。それから、リビングの電気をつけたまま朝を向かえましたが結局足音の主は出てくることはありませんでした。
その日の1時限の授業が始まる前に心当たりのある友人たちに確認して回りましたが、どの友人もその日はバイトで早く帰宅していたのでウチには寄っていないと言われてしまいました。それを聞いて、より私は怖くなってしまったので帰宅してすぐにお祓い方法を調べようとしました。すると、購入して1~2か月しか経っていないはずのパソコンが急に固まってしまい電源が落ちてしまうということが起こりました。その後も再起動させて検索ページで調べようとすると同じような事が起きて全く調べられませんでした。
こんな感じでモヤモヤしていましたが、前日からあまり寝れていなかったことと授業の疲れから気づいたら眠ってしまっていました。すると、耳元である特定のお寺に行きなさいと囁かれました。普段は見た夢のことなど具体的には覚えることなどありませんでしたし、特に具体的な地域や名称など論外でしたが、この時はそのお寺の名前だけははっきりと覚えていました。起きてすぐに、パソコンで調べでお告げのあったお寺を調べてみると神奈川県内に全く同じ名前のお寺があることが判明しました。
翌日、神奈川出身の友人にことの経緯を伝えるとかなり驚かれました。お寺の名前を聞いてみても、そこまで有名なところではないので地元の人にしかわからないといわれました。授業を終えて、実際に調べた住所に行ってみるとそのお寺はありました。実は自分が夢で聞いたお告げには続きがありました。その内容は、お寺に祀られている観音様に会いなさいというものだったのです。実際にお寺に安置されているのかも自信がなかったので友人には聞かなかったのですが、実際にお寺に訪問して驚きました。なぜなら、本堂の中央に祀られていたのが金色の観音様だったからです。
その後、私はそこで、お参りとお祓いを行っていただき帰宅しましたが、帰宅以降お祓いに関することをパソコンで調べても強制終了が起きることはありませんでした。そして、それ以降大学を卒業する4年間で不思議なことが起こることはありませんでした。ただ、アパートの部屋を去る時まで気になったのが、なぜ自分の部屋だけだったのかということでした。私が住むアパートは他にも15部屋あるほど大きい造りでした。そして、偶然ですが部屋のほとんどが同じ学科の同級生ということで4年間の間で住民のほぼ全員と顔馴染みになっていました。そして、自分が経験した不思議な話もアパート内では自然と広がっていました。しかし、他の住人は住んでいて4年間で全くそういった現象は起きたことがないと言っていました。同じアパートならば似たことがほかの部屋でも起こっても不思議ではないのにと思い、モヤモヤしたまま住居を去りました。
卒業して数年が経ち、仕事の都合で大学近くに寄ることがあったので、自分は大学に顔を出しつつ、夜には当時よく通っていた居酒屋に行ってご飯を食べることにしました。当時からいる店長さんとも久しぶりに会うことができて、学生時代にお世話になったことを話しながらお酒が進みました。そして、酔っぱらった勢いで自分が経験した不思議なことを店長さんに話しました。実は店長さんと出会ったのはこの不思議な体験をした一年先のことで、話したことがなかったのです。すると、店長さんは私が住んでいたアパートの場所を確認してきました。私がアパートの住所を伝えると店長さんは神妙な顔つきになり、自分が住んでいたアパートでは十年以上昔に連続殺人事件が起きていたということを教えてくれました。当時店長さんは自分が住んでいたアパートから徒歩5分のところに住んでいたということでよく覚えていると言っていました。現場はアパートの一室で犯人が突然押しかけて、その部屋に住む住民を2人殺害した後に、その部屋で自殺をしたという話でした。その後、アパートは取り壊されてしばらく更地になっていたが、そんな時に新しく建てられたのが自分が住んでいたアパートということだったのでした。その話を聞いて私は当時のアパートに行ってみることにしました。アパートは当時と変わらずまだキレイで、自分が住んでいた部屋にも誰か住人がいるのか明かりがついていました。
当時のことを思い出しながら話を纏めてきましたが、新しく住み始めていた住人はその後何事もなく暮らせているだろうかと、私はこの話を書きながら心配になりました。しかし、書きながら思ったことはその住人はたぶん大丈夫だろうということでした。逆に気をつけないといけないのは自分だと思いました。なぜなら、この話を書いている途中でパソコンの電源が突然落ちたからです。
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