美悠の観察日記
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2022/09/09
13:59
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二月二十二日
今朝も青空だ。
昨晩はたいへんだったけど、なんとかやりとげた。
自分を褒めてやりたい。
これでジロウも逃げるなんてこと、することはないだろう。
とりあえず一安心。
今日から一週間、罰としてエサなしだ。
以前ここに住んでいた人なんだろうか。
タイトルから推察すると、女性のようだ。
「ジロウ」というのは、飼っていたペットか何かだろうか。
それにしても日記の内容はほとんど、この「ジロウ」に関することばかりのようだ。
しかも、かなりの虐待をしているようだ。
三月十日
曇り。
少々寝不足気味。
二、三日前から、上の部屋にいるジロウが叫んだり暴れたりしているからだろう。
猿轡だけでは足らないようだ。
きつくお仕置きをしないと。
三月十五日
晴天。
昨晩から上の部屋が静かだったから見に行ったら、窓際でジロウがぐったりしていた。
触ると冷たい。とうとう死んでしまったようだ。
ずっと置いておく訳もいかないので大型のゴミ袋に入れて、二階から降ろし庭の柿の木の下に埋めた。
女性の私には結構きつかったが、なんとか終えることができた。
これで……
ここで日記は終わり、白紙のページが残った。
─いったい何なんだろうか、このノートは?
この人は大型犬でも飼っていたんだろうか?
いやいやいや、そんな犬、部屋の中でなんか飼えるはずがない。
じゃあ?……。
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