呪われた耳と口
投稿者:ゆりあん (7)
私が、介護医療院で働いていた時の話です。医療をいくら尽くしても、退所する時は亡くなった時ですが、普通の所は医療を施されるので大概は長期の入所なのです。しかし、私の働いていた所は出入りが多い所で酷い時だと月に5人ほど亡くなっていました。地元では、「すぐ死ぬ姥捨て山」と悪評が流れましたが、すぐに入所したい(させたい)方が多く地方から来る方がほとんどでした。
私は仕事に慣れ始めた頃に、ようやく「亡くなる方が多い」と感じました。そのため、いつもより注意深く利用者さんを観察していました。すると、亡くなる利用者さんに共通の行動があることに気付きました。それは、痴呆の悪化です。ただの痴呆とは違い両手に向かってぼそぼそと話しかけるのです。
なにを話しているのか分かりませんが、その行動をとり始めると長くても1週間ほどで亡くなってしまいます。なので、この行動をとるようになると看護師も介護師も死期が近い事を察知してその準備に入るほどでした。そんな時でした。私の受け持っていた利用者さんも例の行動をとるようになりました。私は気になってしまい手の中をこっそりのぞいてしまいました。そこには、右手には耳があり左手には口がついていました。私は、それを見て悲鳴を上げて仕事を放棄してしまいました。
あの日以来、仕事を辞めて仕事場にも行っていません。入所した老人たちはあの耳に何を話しかけ口から何を語りかけられていたのでしょうか?あれに話しかけると死ぬという事は呪いの言葉なんだと思っています。
手の中のものを想像すると気味悪い、ゾッとした
イヤーとマウスがハンドに