友人の話

僕の友人に、自称霊能者がいます。本人曰く、日常的に幽霊を見るから大抵の幽霊は怖くないそうです。しかし、心霊スポットにいる幽霊は違うらしく、心霊スポットに無理やり連れて行くと、友人は「あそこに血だらけの女が！」とか「あっちの世界に連れて行こうとしている男が居る！」と、すぐにおびえていました。

友達内では、“自称“という冠が付くのですが、僕の中では彼には本当に幽霊が見えていると思う出来事がありました。その出来事は、とある心霊スポットに行った時の話です。
彼は、しきりに壁に向かって「それ以上は止めておけ」と何度も話すのです。僕たちは友人に「怖がらせようとしてもムダだから」と話しても、友人は「お前らに言ってない！」と語気を強めて答えてきます。そのやり取りを何度かしている時に、彼が話しかけていた壁が「ドーン」とホコリを立てて崩れ落ちた事がありました。もちろん、壁の近くには誰も居ませんでした。

それ以来、僕は彼の霊能力を少しは信じていたのですが、最近彼が僕に話してくれた怖い話でより一層信じることになりました。
彼「○○には分からないかもしれないけど、最近死んだ人には特徴があるんだ」
僕「どんな特徴？」
彼「最近死んだ人は大体マスクをつけてるんだよ」

僕「え！？」
彼「しかも、布マスク、ウレタンマスク、不織布マスクと違いがあるんだ」
僕「…」
彼「だからマスクだけで、死んだ時期もわかるんだよ」

この数回交わした会話の中で、なぜか僕は彼の言っていることを信じました。

信じた理由は、昔から語られている幽霊は長い髪の毛に死に装束姿で頭に三角巾を付けている姿が定番で、その格好は土葬されるときの姿だと思うのですが、最近の亡くなった方は必ずマスクを着けている状態で死んでおり、だからこそ幽霊もマスクをしているのだ、と思ったからです。

みなさんは、僕の友人の話を信じますか？